痛風・高尿酸血症の病気について

尿酸値 7.0 mg/dl 以下が基準値

尿酸値 7.0

尿酸値 7.0 mg/dl  以下が基準値です。尿酸値の基準値は男女とも 7.0 mg/dl 以下となっています。ちなみに尿酸の単位の「mg/dl」は、血液1dl中に尿酸が何mg含まれているかを表したものです。
尿酸値 7.0 mg/dl というのは、血液1dl 中に尿酸が 7mg まれているという意味になります。

尿酸値 7.0mg/dl を超えると尿酸が血中に溶け切れない

尿酸値の基準値は男女とも 7.0 mg/dl 以下となっています。ちなみに尿酸の単位の「mg/dl」は、血液1dl中に尿酸が何mg含まれているかを表したものです。
尿酸値 7.0 mg/dl というのは、血液1dl 中に尿酸が 7mg まれているという意味になります。

では、なぜ7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されるのでしょうか。それは7.0mg/dlが、尿酸が血液に溶ける飽和濃度の上限値だからです。詳しくいえば、血液に溶解する尿酸が約6.4mg/dlで、たんばく質に付着する量が約0.5mg/dl、合計するとおよそ7.0mg/dlが限界ということになります。

尿酸値が7.0mg/dlを超えると、血液中に溶け切れない尿酸が結晶化し、関節部などに蓄積していく危険性が高くなります。

女性は尿酸値が低く尿酸排泄も良好

風患者の90%以上は男性ですが、これは体内の尿酸量に大きな男女差があるためです。尿酸の平均値をみると、男性が3.5~7.0mg/dlであるのに対し、女性は2.4~5.8mg/dlと、大きな差があります。

なぜ女性の尿酸の総量が少ないのかはまだわかっていませんが、女性ホルモンの影響があるのではないかと考えられています。もうひとつ、一般に女性のほうが男性に比べて腎臓の尿酸排泄(尿酸クリアランス) が良好で、体内に尿酸がたまりにくいことも影響していると考えられます。

7.0mg/dlを超えてもすぐに薬物療法を行うわけではない

他の検査数値にもいえることですが、尿酸値も基準値を超えたからといって、確実に痛風発作が起こるとか、すぐに治療を始めなければならないというわけではありません。

まだ痛風発作を起こしたことのない人なら、尿酸値が7.0mg/dl台にとどまっていれば、ほとんどの場合、薬物療法は行われません。
痛風発作の危険性が少なく、生活習慣の改善で十分に尿酸値を下げることが可能だからです。ただし、すでに痛風発作を起こした経験のある人は、尿酸値が7.0mg/dl以下であっても治療を続ける必要があります。
痛風・高尿酸血症の治療に使われる薬についてはこちら。

痛風の90%を占めるのは原因不明の「一次性」

高尿酸血症・痛風は、原因のよくわかっていない一次性(特発性)のものと、原因が解明されている二次性(続発性)のものに分けられます。
圧倒的に多いのは一次性のもので、全体の9割以上にもなります。一次性の高尿酸血症・痛風がほとんどということになります。

食事やアルコール、肥満、ストレスなど、生活習慣が発症を誘発するものと考えられています。乱れた生活習慣を見直すことで、予防・改善は十分に可能になります。

二次性の高尿酸血症・痛風は薬物などの使用が原因になっているものです。高血圧症の治療薬である降圧薬や利尿薬、あるいはアスピリンなどの薬剤も尿酸値を上昇させることがわかっています。

薬物以外では腎臓病のほか、白血病や多血症、リンパ腫、骨髄腫などの血液の疾患も尿酸値上昇の要因になります。遺伝的要因も大きく、痛風の約10%が体質などの遺伝が影響していると考えられています。
痛風・高尿酸血症の病気について

尿酸値 上昇 原因 はたくさんある

尿酸値 上昇 原因

尿酸値 上昇 原因 はたくさんあります。痛風発作を招く原因となる尿酸は、なぜ増えるのでしょうか。実はそのメカニズムはまだ十分に解明されていません。しかし、さまざまな臨床データの研究などから、いくつかの危険因子が特定されています。

尿酸値 上昇 原因  現代人の普通の生活習慣が尿酸値を上げる原因に

痛風発作を招く原因となる尿酸は、なぜ増えるのでしょうか。実はそのメカニズムはまだ十分に解明されていません。しかし、さまざまな臨床データの研究などから、いくつかの危険因子が特定されています。
次のような痛風発症リスクには特に注意が必要です。

過食・大食・暴食
食べる量が多ければ多いほど、体内でつくられる尿酸の量は増加します。美食をしても少量なら問題はありません。
肥満
肥満者の尿酸値は高い傾向があります。肥満は尿酸値を上昇させる最大のリスクです。
アルコール
アルコールには体内の尿酸の合成を促進する作用があります。また、大量飲酒をすると、腎臓の尿酸排出機能も低下します。アルコールは適量を守って飲むのが鉄則です。なお、ビールには尿酸の原料になるプリン体が多く含まれていますから、なるべく避けるのが賢明です。
激しい運動
体に負担をかけない適度な運動は尿酸値を下げますが、歯を食いしばって行うような激しい運動は逆に尿酸値を上昇させます。エネルギー源のATPが使われ、尿酸を生み出すからです。運動は息を止めて行うハードな無酸素運動ではなく、ウォーキングなどの有酸素運動にしましょう。
ストレス
ストレスが尿酸値を上げるメカニズムはまだ解明されていませんが、心身に強いストレスがかかると尿酸値が上昇することは証明されています。趣味を楽しむなど、ストレス解消に努めましょう。現代のストレス「時間」はこちら。
その他の危険因子
男性であること、30歳以上であること、近親者に痛風患者がいるなどの遺伝的要素も危険因子になります。また、高血圧、腎臓障害のある人も注意が必要です。

最も痛風になりやすい人

痛風のリスクを1人の人にすべて当てはめると、こんな人物像が浮かび上がってきます。学生時代に格闘技やラグビーなどの激しいスポーツに打ち込み、選手として活躍した経験がある男性。卒業後はサラリーマンとして仕事一筋。
30代後半の現在は、中間管理職として早朝から夜遅くまで仕事に明け暮れている。
仕事が生きがいではあるが、上からの業績アップ指令や部下からの要求などにはさまれて、ストレスも多い。加えて家では、家庭を顧みないと奥さんから不満を言われ、子育ての悩みも尽きない。

仕事が忙しくて趣味を楽しむ時間もなく、日常的に運動もしていない。唯一の楽しみは食べることと飲むこと。もともと体格はいいので、食べる量も多く、肉も魚ももりもり。
さらに夜は得意先の接待のほか、上司や部下と連日の深酒。帰宅が深夜になることもしばしば。そんな生活のせいで、最近、おなかがでっぶりと出てきて、どこから見ても肥満体。血圧も高めで降圧薬を飲んでいる。

最近の健康診断で尿酸値が高めといわれ、そういえば親父も痛風で苦しんでいたなあ、などと父親のことを思い出している。このような人物像をイメージしてみると、案外どこにでもいそうな中年男性像が浮かんできます。このうちのいくつかは当たっているという人も注意が必要です。

痛風・高尿酸血症の病気について

無症候性高尿酸血症 痛風発作を 起こさない人 に注意しなければいけないこと

無症候性高尿酸血症

痛風発作を 起こさない人 に注意しなければいけないことを紹介します。

痛風発作を 起こさない人 症状がなく、合併症を招きやすい 「 無症候性高尿酸血症 」

痛風には、発作による痛みや炎症、長期化した場合に現れる痛風結節など、いくつかの特徴的な症状があります。こうした症状により、痛風に関する知識がまったくない人でも、これは何か重大な病気に違いないと気づき、病院に駆け込むきっかけになります。

しかし、尿酸値がかなり高く、いつ痛風発作を起こしてもおかしくない状態にもかかわらず、痛みや炎症などの症状がまったく現れない場合があります。こうした自覚症状がないタイプの高尿酸血症を「無症候性高尿酸血症」といいますが、近年このタイプが増加傾向にあります。高尿酸血症の怖さは、まずなんといっても激痛の痛風発作を引き起こすことです。

無症候性高尿酸血症は、その恐ろしい痛みがないのですから、運がよかったというように考えがちですが、実はまったく逆です。無症候性高尿酸血症はほとんどの場合、気づかないまま放置されることになり、尿酸値が異常に高いままの状態が長期にわたって続くことになります。
そのため病院に行くきっかけがなく、適切な治療を受ける機会を失ったまま、重大な合併症を招くケースが少なくありません。

腎臓への障害に要注意定期健診で尿酸値をチェック

高尿酸血症の人は、痛風発作を起こしやすいということ以外に、脳卒中や心臓病にかかる危険性の高いことが知られています。痛風発作を起こせば、ほとんどの場合病院で治療を受けることになりますから、合併症の恐ろしさを医師から聞き、自分でも健康に気をつけるようになります。

しかし、症状が出ないために気づかないままでいると、重大な合併症の危険性を高めてしまいます。無症候性高尿酸血症の人が最も気をつけなければならないのが、腎臓への障害です。

腎臓は、肝臓と並び称されるほどの「忍耐強い働き者」の臓器で、症状が出たときは障害がかなり進んでいるケースがほとんどです。

腎臓の障害が進めば、それによって他の重大な生活習慣病を合併する危険性も高まりますし、それがまた腎臓の機能低下に拍車をかけます。最悪の場合は、腎不全から尿毒症を起こし、死に至ることもあります。無症候性高尿酸血症を予防し、またその危険性に対処するためにも、定期的に健康診断を受け、尿酸値をチェックすることが重要です。

腎臓は忍耐強い臓器

腎臓は背中側の腰の少し上あたりに、背骨をはさんで左右にひとつずつ並んでいます。大きさはその人の握りこぶしよりちょっと大きめで、そら豆のような形をしています。

愛嬬のある形に似合わず、ちょっとやそっとのことでは音を上げないなかなかの働き者で、肝臓と並んで「沈黙の臓器」と呼ばれて実際、その忍耐強さは並大抵ではなく、何らかの障害で腎機能が半分に低下しても、自覚症状はほとんど現れません。

それだけに、異常に気づいたときには重大な障害を起こしていたなどということになりかねません。定期的に健康診断で腎機能をチェックするなど、十分に注意する必要があります。腎臓の検査は尿検査、血液検査で行います。

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