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民間療法など非科学的な治療法に惑わされない

酒好きやグルメには生活改善は簡単ではない

痛風の治療は多くの場合、一生続けなければならないなど、非常に長期にわたります。ずっと尿酸降下薬をのみ続けなければならないのはもちろん、生活改善の努力も継続して行わなければなりません。

ある期間、生活改善を徹底的に行い、以後、それが新しい生活習慣として完全に身についてしまった場合は問題がありません。しかし、そう簡単にはいかないのが現実であり、多くの人の実感でもあります。特にお酒や食べ歩きが大好きで、いわゆるグルメといわれるような生活を送り、またそれらを生きがいとしてきたような人にとっては、生活改善の必要性を頭では理解しても、なかなか実践が難しいものです。

それどころか、しばらく生活改善の努力を続けたあと、がまんが限界に達して大量飲酒やどか食いに走ったりするケースなどもよく耳にします。痛風発作は二度といやだけど、生活改善もできることならしたくないというのが、ほとんどすべての痛風患者の本音といえるでしょう。

「健康食品」や「健康法」は根拠のないものが多い

生活改善がなかなかうまくいかないと、何か「特効薬」になるものはないかと、真剣に探し求める人も出てきます。その気持ちもわからないではありません。そんな患者心理を見透かすように、「これで尿酸値は確実に下がる」「あらゆる生活習慣病を撃退できる」などという「健康食品」や「健康法」「ダイエット法」が、各種のマスコミやインターネット、街角の店頭などにあふれかえることになります。

これらすべてが無効、あるいは逆効果などと断じるつもりは毛頭ありません。なかには確かに健康効果があるだろうと推測されるものもありますし、健康にいいと信じて摂取することで心理的に健康効果が上がることも考えられないではありません。ただし、痛風・高尿酸血症を魔法のように治してしまう「健康食品」となると、首をかしげざるを得ません。

痛風・高尿酸血症は尿酸の代謝異常が原因で起こる疾患です。そのメカニズムが解明されて以来、生活改善療法や薬物療法が研究され、科学的な治療法として確立されてきたのです。ここまで積み上げられてきたこれらの医学の成果を信頼し、根拠のない「健康食品」や「健康法」の甘い言葉に惑わされることなく、生活改善療法と薬物療法を根気よく続けてください。

漢方薬では尿酸値は下がらない

これとは別に、漢方薬で尿酸値は下げられるかという質問をよく受けます。漢方には西洋医学にはない効果もたくさん認められますから、大いに活用されてしかるべきだと思いますが、これまでのところ痛風発作を改善したり、尿酸値を下げる効果があるという研究発表はなされていません。やはり生活改善と薬物療法を地道に続けるのが最善だといえるでしょう。

薬の効きすぎ、副作用に注意する

尿酸降下薬の効果は高い多めに服用すると危険

風発作を起こして病院に駆け込んだときは、この先一体どうなってしまうのだろうと、多くの人が激しい不安を感じます。しかし、治療を開始すると、ほとんどの場合、痛風発作の痛みや腫れなどの症状はまもなく改善されます。

その後、担当の医師から痛風に関する説明を聞き、尿酸値をコントロールする本格的な治療を開始することになります。その際も、尿酸値をちゃんと下げることができるのか、もし下がらなかったら、またあの痛風発作の激痛が襲ってくるのかと、多くの人が強い不安を感じます。

しかし、痛風降下薬は医学的に効果が立証されているものばかりですし、医師も患者の病状や尿酸増加のタイプ、体質などを詳しく調べてから最善の処方をしますから、よほど特別な事情がない限り、尿酸値は順調に低下します。

尿酸値のコントロールに関しては、医師の指示どおりに薬を服用することだけを実行していけば、まず何の心配もありません。むしろ、早く治したいと気持ちが先走って、自己判断で薬を多めに服用したり、うっかりのみ忘れてしまったりすることのほうが問題になります。医師の指示を守らないと尿酸値が激しく乱高下し、痛風発作の再発などの危険性が高くなります。

ほとんどの副作用は軽度だがまれに重い肝障害が起きることも

尿酸降下薬の副作用についても、基本的にそれほど大きな問題になるようなものはありません。また、医師も患者の病状やタイプに合わせて慎重に処方しますから、心配したり神経質にったりする必要はありません。

ただし、薬はあくまで体にとっては異物ですから、副作用がまったくないということはありません。主な尿酸降下薬の特徴的な副作用を記しておきますので、もし自覚症状があったら、早めに医師に報告して、指示を仰ぐようにしましょう。

尿酸排泄促進薬
  • プロベネシド
    非ステロイド系抗炎症薬や経口糖尿病薬、一部の抗生物質を併用すると薬が効き効きすぎたり副作用が強まるなどの相互作用があるのので要注意です。主な副作用としては下痢などの胃腸障害、皮膚の発疹などですがいずれも軽度です。
  • ベンズブロマロン
    副作用としてはまず第一に服用の初期に尿酸値を急激に低下させて「尿酸の下降型発作」を誘発することです。また、尿酸の排泄量が増えるため、尿路結石ができることもあります。極めてまれですが、肝臓に障害を起こす場合もありますので、肝機能検査を定期的に行う必要がありま
尿酸生成抑制約
  • アロプリノール
    副作用としては、軽い胃腸障害や皮膚の湿疹がありますが、いずれもごく軽いものです。ただし、腎臓に障害がある人の場合は、再生不良性貧血や中毒症侯群などの副作用の心配があります。

薬物治療の初期に痛風発作が起こる場合も

なぜ? とショックを受け、治療に疑問を感じる人も

多くの痛風患者は、急な発作から病院に駆け込んで治療を受けることになります。そして、なんとか症状も治まり、本格的に尿酸降下薬を使った治療を始めますが、その後まもなく、痛風発作を起こしてしまうケースがあります。

痛風発作を起こさないために薬をのんでいるのに、一体なぜ? と、ほとんどの人が治療に疑問を感じ、戸惑ってしまいます。特に治療を始めた直後というタイミングもあり、希望を打ち砕かれたように感じる人も多いようです。

しかし、ほとんどの場合、治療を始めるにあたって医師から説明がありますから、心の準備ができている人が多いのも事実です。それがたまたま事前に知らされていなかったり、聞いていたのに忘れてしまっていたりすると、大きなショックを感じてしまうことになります。
では、よりによって痛風を根本的に治そうと治療を始めたとたん、痛風発作を起こしてしまうのはなぜなのでしょうか。

尿酸値が急激に下がると患部への白血球の攻撃を招く

痛風発作は体内の尿酸値が増加して過剰になった分が結晶化し、関節部などに蓄積することで起こります。根本原因は尿酸値の高い状態が慢性化していることにあります。

実は、慢性的に高い状態にあった尿酸値が急に下がると、それが痛風発作を引き起こす原因になることがあるのです。これを「尿酸値の下降型発作」などと呼んだりすることもあります。

尿酸降下薬を使用すれば、体内の尿酸は減少していきます。しかし、患部の関節部などには、結晶化した尿酸が相変わらず大量に蓄積しています。そうなると、体内と発作を起こした患部との間に大きな尿酸値の高低差が生じることになります。この「差」がきっかけとなって、白血球が尿酸結晶を再び攻撃することがあるのです。

白血球の攻撃が再開されると、関節に張りついている尿酸結晶がはがれ落ち、痛風発作が再発します。治療開始後の痛風発作は、予兆も含めると6 か月以内に40%前後の人が体験すると推測されます。

治療を開始したら心の準備をしっかりしておくのと同時に、尿酸値を急激に下げない、最低でも月に1回は尿酸値を計測する、医師とよく相談しながら治療を進める、などの点に気をつけましょう。

治療開始すぐの発作は症状が軽い

同じ痛風発作でも治療前のいわば「本物の発作」に比べて治療を始めた頃に起こる発作は軽いのが特徴です。
本物の痛風発作は、体内の尿酸が増加し、結晶化して関節部にどんどん蓄積していく過程で起こります。変な言い方ですが上り調子のときに起こる発作といえます。
それに対して治療開始後に起こる発作は尿酸降下薬によって体内の尿酸が減少していく中で起こります。
いわば下り坂の発作ですから症状も軽くてすむのでしょう。
どんなに軽くても痛風発作ですから起こしたくないのは当然ですがその痛みも体内の尿酸が確実に減少しているサインであるという前向きにとらえ粘り強く治療を続けましょう。