腎臓、脳、心臓の障害のほか、糖尿病などの合併症

激痛の改善が最優先だが本当に

痛風という病気の特徴は、なんといっても発作を起こしたときの激痛です。「風が吹いても痛い」というのが病名の由来といわれるほどですから、その痛さはすさまじいばかりで、体験者によってさまざまな表現で伝えられています。

なかでも多いのが、足の指が骨折したと思ったというものです。それまで経験したことのない痛さがいきなり襲ってくるため、考えられる最悪の事態として瞬間的に骨折を思い浮かべるようです。

そのほかでは、鉄の棒で殴られたよう、矢で射抜かれたらこんな痛みなのでは、生まれて初めて脂汗をかいた、車の運転中だったので事故を起こすのではないかと焦った、痛みが上まできたら命はないと思ったなどの体験談がよく聞かれます。

表現こそ違え、痛みの実感はよく伝わってきます。これほどの痛みを伴う病気ですから、痛風というと痛みだけが問題の病気と考えられがちです。しかし、痛風はそれほど簡単な病気ではありません。もちろん、耐えがたい痛みを早急に改善するのは痛風治療の最優先の課題になりますが、本当に怖いのは、痛風・高尿酸血症に伴って起こるさまざまな合併症です。

高血圧、高脂血症などが原因のメタボリックシンドローム

痛風・高尿酸血症の合併症には、命にかかわる重大なものがありますが、その前に気をつけなければならないのは、肥満や高血圧、高脂血症、高血糖(糖尿病)など、重大な生活習慣病を招くさまざまな病気です。意外に思う人もあるかもしれませんが、こうした状態も尿酸値の上昇に伴って起こることがわかっており、痛風・高尿酸血症の「立派な」合併症といえるのです。これらの症状は、最近注目されているメタポリックシンドロームの危険因子でもありますから、特に注意が必要です。

腎臓の機能低下や結石、心臓や脳の血管障害も合併症

高尿酸血症が引き起こす重大な合併症として、まず挙げなければならないのは腎臓病です。体内でつくられる尿酸のほとんどはいは腎臓に運ばれて尿といっしょに排せつ泄されますから、尿酸が異常に増えると、腎臓に障害が起きて、機能が低下します。進行すると腎不全を起こし、命にかかわる場合もあります。また、尿酸の異常な増加は、腎臓や尿路に結石ができる危険性を高くします。
そのほかでは、動脈硬化が主な原因で起こる狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳出血や脳梗塞などの脳卒中など、心臓と脳の血管障害があります。
尿酸値の高い人は、高コレステロール血症や高血圧など、動脈硬化の原因になる危険因子をもっている場合が非常に多くなっています。メタポリックシンドロームとも関連しますが、注意が必要です。

メタボは心臓病の危険性を30倍以上も高める

メタポリツクシンドロームというのは、肥満(内臓脂肪型肥満)に加えて高血圧、高脂血症、高血糖などの危険因子が複数重なると、心臓病や脳卒中などの重大な生活習慣病になる危険性が高くなるという新しい疾患概念です。

いま、中年男性の2人に1 人、女性の5人に1人はその危険性があるとされています。実際、メタポリツクシンドロームの人は、狭心症や心筋梗塞などの疾患にかかる危険性が30倍以上に上がるというデータもあります。

高尿酸血症そのものはメタポリツクシンドロームの危険因子ではありませんが、危険因子である高血圧、高脂血症、高血糖を合併する原因になります。メタポリックシンドロームを防ぐためにも、尿酸値を正常に保ち、これらの合併症を防ぐことが大切です。

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