尿酸値 ゆっくり下げる 治療の鉄則で基本

尿酸値 ゆっくり下げる

尿酸値 ゆっくり下げる 治療の鉄則で基本です。意外なことに、尿酸値を急激に下げると、痛風発作を誘発する危険性があるのです。もう痛風発作はこりごりだ、1日も早く尿酸値を正常値まで下げなくてはと、薬を多めに服用したり、強めの薬にしたりすると、逆効果になってしまうわけです。

尿酸値 ゆっくり下げる 薬で尿酸を急激に下げると逆に痛風発作を誘発する

治療でとりあえず痛風発作を抑え、ひと安心したものの、尿酸値は相変わらず高い状態のまま…。
このような場合は、本格的に尿酸値を下げる治療を開始することになりまが、折。まず尿酸値の上昇する原因は酸排泄低下型か尿酸産生過剰型かを調べ、前者なら尿酸排泄促進薬、後者なら尿酸生成抑制薬を服用することになります。

もう二度と、あんなに痛くて苦しい思いはいやだ、しっかり治療して、完全に治すんだ…と、多くの人は固い決意で治療に臨みます。

長期にわたる痛風・高尿酸血症の治療を根気よく継続していくためには、こうした強い意志、前向きの姿勢が何よりも大切になります。しかし、ここでちょっとした落とし穴があります。

意外なことに、尿酸値を急激に下げると、痛風発作を誘発する危険性があるのです。もう痛風発作はこりごりだ、1日も早く尿酸値を正常値まで下げなくてはと、薬を多めに服用したり、強めの薬にしたりすると、逆効果になってしまうわけです。
詳しいメカニズムは次項で説明しますが、どんなに尿酸値を下げたいという気持ちが強くても、あせりは禁物です。

尿酸値の急低下は腎臓に負担、3、4月~半年かけてゆっくりと

尿酸排泄促進薬をいきなり大量に服用すると、尿中に排泄される尿酸の量が急増します。そうなると尿酸を排泄するために腎臓はフル稼働することを強いられますから、腎臓にとっては激しい負担となります。

場合によっては腎臓の機能を低下させる障害を引き起こしたり、尿路結石の原因になったりします。こうした事態を防ぐためには、尿酸値を徐々に、ゆっくり下げていくことが大切になります。

しかし、尿酸値を低下させるペースは、特に基準があるわけではありません。患者の病状に応じて、柔軟に対応していきますが、基本的な姿勢としては、数日単位でみるのではなく、1ヶ月、2ヶ月単位で少しずつ下げていき、3~4ヶ月から半年かけて正常値まで下げていくくらいがいいでしょう。

医師の処方した尿酸降下薬が強すぎたり、量が多すぎたりする場合もあります。その場合の尿酸値の急低下による痛風発作に備えて、尿酸降下薬による治療の開始と同時に、抗炎症薬が処方される場合もあります。そうした薬の使用法も含め、医師とよく相談することが大切です。

尿酸降下薬は発作の症状が完全におさまってから使用する

尿酸降下薬を使用する場合はタイミンクが大切になります。通常、痛風発作を起こして、痛みや腫れ、関節部の炎症などが残っている状態では、尿酸降下薬による治療は開始しません。

この段階で開始すると、逆に症状を悪化させる危険性が高いからです。この段階での投薬がなぜ症状の悪化を招くのか、その理由は今のところまだよくわかっていませんが、血夜中に溶けて存在していた尿酸が、尿酸降下薬の作用で結晶化し、関節部に蓄積するからではないかと考えられます。

尿酸降下薬による治療は、発作の症状が十分に治まってから開始することが大切です。もちろん、専門の医師は十分に心得ていますから、あわてずに指示に従ってください。

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尿酸値を下げる 薬物療法

尿酸値を下げる 薬物療法

尿酸値を下げる 薬物療法 について紹介します。高尿酸血症には「尿酸排せつ泄低下型」と「尿酸産生過剰型」の2つのタイプに分かれます。尿酸値が上がる原因が違うのですから、使用する薬も当然ながら違ってきます。

尿酸値を下げる 薬物療法 尿酸値上昇のタイプ別に2種類の薬を使い分ける

いま、「オーダーメイド医療」の必要性が叫ばれています。画一的な治療をマニュアル的に行うのではなく、患者の病状はもちろん、体質や体力などあらゆる面を考慮に入れた治療を理想とする考え方です。

現代の医療は、どんな病気の場合でも、基本的にこの考え方に沿って行われています。そのため、同じ病気でも治療法がまったく同じとは限りませんし、薬が異なる場合もあります。あくまで個々の患者の状態に合わせて治療は進められるわけです。

痛風・高尿酸血症の治療もまったく同じで、医師は患者の病状、尿酸値の推移、過去の発作の回数、合併症の有無などを詳しく調べてから治療計画を立てます。

尿酸値を下げる薬(尿酸降下薬)を選ぶときもこの考え方が大切になります。高尿酸血症には「尿酸排せつ泄低下型」と「尿酸産生過剰型」の2つのタイプに分かれます。尿酸値が上がる原因が違うのですから、使用する薬も当然ながら違ってきます。
医師は患者のタイプによって2種類の薬を使い分け、尿酸排泄低下型の場合は尿酸排泄促進薬、尿酸産生過剰型には尿酸生成抑制薬を処方します。

排泄促進薬は腎臓に作用し尿酸の排泄量を増やす

もし薬の処方が画一的に行われ、たとえば尿酸排泄低下型の患者に尿酸生成抑制薬を使用すると、肝臓に障害が起こるなど、副作用の起きる確率が高まる危険性があります。

逆に尿酸産生過剰型の患者に尿酸排泄促進薬を服用させれば、尿中の尿酸濃度が高くなり、腎臓内や尿管に結石ができたり、急性の腎不全などを引き起こす恐れが増大します。

痛風・高尿酸血症を治療するといつても、とりあえず尿酸値を下げる薬を処方しさえすればいいというものではありません。患者さんのタイプに応じたものでない薬の処方がされれば、何の効果も得られないばかりか、副作用によって新たな障害が引き起こされることも考えられます。

尿酸排泄促進薬は尿酸の排泄が十分に行われず、尿酸値が上昇してしまうタイプの人が服用すると効果を発揮する薬です。効能としては、腎臓に作用して尿酸の排泄量を増やすように働き、尿酸の排泄を促してくれます。日本ではプロベネシド、ベンズブロマロンの2種類の薬が主に使われており、ほかにブコロームという薬もあります。

生成抑制薬は酵素の働きを抑え、尿酸の産生量を減少させる

尿酸生成抑制薬は尿酸の産生が多すぎて尿酸値が上昇してしまうタイプに適した薬です。尿酸が肝臓で合成されるとき、キサンチンオキシターゼという酵素が働きますが、この酵素の働きを阻害して、尿酸の産生を妨げてくれます。尿酸生成抑制薬にはアロプリノールという薬が1種類あるだけで、副作用もほとんどないことが確認されています。

薬物療法の目標は尿酸値4.0~6.0mg/dl

薬物療法では尿酸値を 4 ~6 mg/dl まで下げることが目標になります。尿酸値の正常値は7mg/dl以下ですが、より安全な範囲にコントロールしようというわけです。

特にすでに痛風発作を起こした人は、尿酸値 を6.0 mg/dl 以下にまで下げておいたほうが、関節部の尿酸も溶けやすくなるため、再発を防ぐ確率が高くなりまとはいっても、尿酸値が急激に下がりすぎるのも問題なので、その場合は薬の量を減らして調節します。
尿酸値が思うように下がらない場合は、逆に薬を増量することになります。薬物療法を始めても、尿酸値を定期的にチェックし、適正範囲内にコントロールしていくことが大切です。

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発作時 薬 激痛をやわらげる薬物療法

発作時 薬

発作時 薬 激痛をやわらげる薬物療法について紹介します。痛風発作の沈静化に使われる薬は、主に非ステロイド系抗炎症鎮痛薬です。ナプロキセン、インドメタシン、フェンブフフェンなどいくつかの種類があり、患部の痛みや腫れ、熟などの症状を取り除き、炎症を改善する優れた効果を発揮します。

発作時 薬 沈静化する治療は本格的な痛風治療ではない

痛風・高尿酸血症の治療では、尿酸値を正常範囲内にコントロールすることと、高尿酸血症による合併症を防ぐことが最大の目標になります。

しかし、いきなり痛風発作を起こしてしまい、まさに今「風が吹いても痛い」状態でいる人に対して、尿酸値を下げる長期的な治療の必要性を力説しても無益な説教というものでしょう。

痛風発作を起こした場合は、何はまさておき、痛みや腫れを取り除く緊急の治療が必要になります。これは痛風発作を沈静化するための対症療法で、痛風・高尿酸血症を治す根本的な治療ではありません。
一時的に緊急避難をして、落ち着いてから本格的な治療を始めようというわけです。

非ステロイド系抗炎鎮痛薬で発作時の痛みを腫れを改善

痛風発作の沈静化に使われる薬は、主に非ステロイド系抗炎症鎮痛薬です。ナプロキセン、インドメタシン、フェンブフフェンなどいくつかの種類があり、患部の痛みや腫れ、熟などの症状を取り除き、炎症を改善する優れた効果を発揮します。

病状に応じて座薬を使う場合もあります。非ステロイド系抗炎症鎮痛薬は副作用が少ないという特徴もありますかいようが、まれに胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを引き起こしたり、極めてまれな例では大出血や胃穿孔を起こしたりするということも報告されています。

したがって、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がある人には使用しないのが原則です。胃潰瘍などがなくても、ほかの病気で血液を固まりにくくする薬などを使用している場合も注意が必要です。

ステロイド薬もよく使われる、コルヒチンは発作後では効果なしし

胃潰瘍や十二指腸潰瘍がある場合は副腎皮質ホルモン(ステロイド)薬が使われます。以前は痛風発作の治療に副腎皮質ホルモン薬を使うことはタブーとされていましたが、最近では危険の少ない薬という認識が広まり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がない場合でも使用する医師が多くなっています。

痛風発作を沈静化するために広く使われていた薬に、コルヒチンがあります。古くから痛風の特効薬とされてきた薬で、ユリ科のイヌサフランという植物の種子や球根の成分を抽出してつくられます。
痛風発作の痛みは尿酸結晶を白血球が攻撃することで起こりますがコルヒチンにはその攻撃を抑えて弱める作用があります。

その結果、痛みや炎症を改善することができます。ただし、コルヒチンは白血球の働きを抑えるため、免疫力まで低下させてしまい、腹痛などの胃腸障害や下痢、毛髪の脱毛などを起こしたりする副作用があります。

さらに、コルヒチンは痛風発作を起こしてからあわてて服用しても効果はありません。こうしたことから最近はコルヒチンを使用する頻度は少なくなっています。

コルヒチンは予感期に飲むと効果がある

コルヒチンは痛風発作を抑える薬としてはほんど使われなくなっていますが、発作を起こす前にのむと、発作を防いだり、軽くしたりする効果があります。

痛風発作を何度か経験した人は、発作が起きる前に「そろそろ危ないな」という予感があます。これを「予感期」といいますが、この時期に飲んでおくと発作の予防効果が期待できます。

そのためため、痛風発作を起こしたことのある患者さんには積極的に処方するケースも見られます。だし、コルヒチンは本文で説明したとおり、白血球の働きを抑えて免疫力を低下させるなどの副作用がありますから、1日1錠にとどめるのが原則です。

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