痛風とは 足の親指のつけ根に突然「激痛」が襲う病気

痛風とは

痛風とは 足の親指のつけ根に突然「激痛」が襲う病気です。痛風という病気は、病名にも「痛」の文字が入っているように、激しい痛みが特徴の病気です。「風が吹いても痛い」が病名の由来といわれますから、その痛さは並大抵ではありません。

痛風とは 痛むのは、通常1ヶ所のみ

痛風という病気は、病名にも「痛」の文字が入っているように、激しい痛みが特徴の病気です。「風が吹いても痛い」が病名の由来といわれますから、その痛さは並大抵ではありません。

ひどい場合は歩くことができないどころか、うずくまったまま、身動きができずに寝込んでしまうこともあるほどです。痛みが発生する場所は足の親指のつけ根が最も多く、全体の約70%を占めます。

ひどくなると患部は赤くま腫れあがり、靴をはくこともできなくなります。足の親指のつけ根以外にも、足のけん甲やかかと、くるぶし、アキレス腱、ひざなどに発生する場合があります。下半身ばかりではなく、まれではありますが手の指や甲、ひじなどに痛みが出るケースもあります。

痛みが発生する場所はいろいろあっても、痛むのは通常1ヶ所だけで、同時に複数ヶ所が痛むことはほとんどありません。これは痛風の症状の特徴のひとつで、他の紛らわしい病気との誤診を避けるうえでも大切なので記憶にとどめておきましょう。

尿酸が増えた状態がしばらく続くと発症する

医学が発達した現代では、痛風という病気そのものが命にかかわることはまずありません。健康診断で尿酸値が高かったといっても、それほど神経質になる必要はないわけです。

ただし、注意すべきなのは、ほうっておくと、激痛をくり返すばかりか、重大な生活習慣病を引き起こす原因にもなるということです。
痛風発作は血液中の尿酸の量が増え、ある限界を超えると起こります。尿酸が異常に高い状態を「高尿酸血症」と呼びますが、この数値になれば必ず起こるというわけではなく、普通は尿酸値の高い状態が何年か続いた後に発症します。

高尿酸血症が長く続くと、あふれ尿酸が腎臓や足の指などの関節部にたまり、結晶化します。関節部に結晶化して付着した尿酸は体にとっては異物ですから、これを排除しようとして白血球が出動し、攻撃を加えます。

この両者の戦いが痛風発作(痛風関節炎) の痛みの原因になります。尿酸値の上昇は痛風関節炎のほか、腎臓の障害や痛風結節、最終的には命にかかわる重大な合併症の原因になります。日常的にしっかりと自己コントロールすることが大切です。

激痛が続き何日かして嘘のように痛みが消える

痛風の痛みの持続時間は一定ではありません。が、多くの場合、発作を起こしてから24時間は、痛みが強くなったり持続したりする要警戒の時間帯です。
その後、痛みの症状は徐々にやわらいでいくのが普通で、早くて2~3 日、長い人でも1 週間~10日ほどすると、ウソのように痛みが消えてしまうのが一般的な傾向です。

しかも、初期のころは、痛風発作が起こるのはせいぜい年に2~3 回ほどで、発作が終わるとすっかり忘れている人がほとんどです。のどもと過ぎれば…です。
しかし、これを放置しておくと、次の発作までの期間がだんだん短くなり、発作の回数が増えていくのが通常のパターンです。再発の頻度が高くなるのと同時に、痛みも含めて病気そのものが重症化してしまいます。
痛風・高尿酸血症の病気について

痛風の治療 王道 地道な生活習慣の改善で尿酸値を下げ、合併症を予防する

痛風の治療 王道

痛風の治療 王道 地道な生活習慣の改善で尿酸値を下げ、合併症を予防することです。ある日突然、何の前ぶれもなく、激しい痛みが襲ってくる。しかも、治療をしないでほうっておくと、命にかかわる重大な合併症を引き起こす。聞いてだけで、恐ろしくなります。

痛風の治療 王道 要以上に恐れず、定期健診で尿酸値をチェック

ある日突然、何の前ぶれもなく、激しい痛みが襲ってくる。しかも、治療をしないでほうっておくと、命にかかわる重大な合併症を引き起こす。聞いてだけで、恐ろしくなります。

痛風にだけはなりたくない、尿酸値が高くなったらどうしよう…そんな気持ちにとらわれてしまいます。しかし、必要以上に恐れることはありません。

痛風・高尿酸血症は、体内の尿酸の量の増加によって起こるなど、発症のメカニズムも解明されています。がんやHIV(エイズ)のように、確実な治療法がまだ十分には解明されていない病気ではないからです。根治させる薬はまだありませんが、原因となる尿酸値を正常値まで下げる薬はすでに開発されています。薬物療法を行いながら、生活習慣の改善を実践していけば、十分に予防・改善できる病気なのです。

痛風・高尿酸血症の治療に使われる薬について

そのためにも第一に必要なのは、自分の尿酸値がどれくらいなのか、しっかり把握しておくことです。もし、定期的な健康診断を行っていないのであれば、最低でも年に1回は受けるようにし、他の検査結果も含め、自分の尿酸値のレベルを常にチェックするようにしましょう。
多くのサラリーマンは会社で定期検診を実施しますが、自営業の方の場合、これを行わない人も多いので注意が必要です。

食事を中心にした生活改善が尿酸値コントロールの基本

健康診断で、尿酸値が高めと指摘されても、あわてることはありません。そのときの数値によって対応は異なりますが、医師の指導を受けながら、冷静に対処してください。
痛風・高尿酸血症の治療は、食事療法を中心にした「生活改善療法」と、薬を服用して尿渡値を正常範囲内にコントロールしながら薬物療法を行うのが中心です。

まず、生活改善療法ですが、これは尿酸値が高いとわかったらすぐに開始するのはもちろん、尿酸値の高低にかかわらず、健康を維持・増進するために常に心がけたいものです。

現代人の生活習慣は尿酸値を上昇させる危険因子であふれています。自分ではごく普通に生活しているつもりでも、気づかないうちに尿酸値を上昇させてしまっていることがありますから、まずは生活習慣全般をじっくり見直すことが必要になります。正常範囲を多少超えた程度の尿酸値なら、生活改善を行うことで正常範囲内に戻すことは決して難しくありません。生活改善こそ痛風・高尿酸血症を治療する基本と心得ましょう。

生活改善で尿酸倍が正常になっても、油断は禁物です。継続していかなければ、尿酸値はすぐに上昇に転じます。尿酸値を正常範囲内にコントロールするためにも、他の生活習慣病を防ぐためにも、生活改善を続けることが大事です。

薬の投薬がはじまっても生活習慣の改善は地道に続ける

薬物療法は医師の判断で開始しますが、主に尿酸値が異常に高く、このままでは痛風発作が避けられない場合や、生活改善をしても当分は尿酸値の低下が困難と思われる場合に行われます。

薬物療法は多くの場合、いったん始めると長期間におよびます。医師の指示を守って、根気強く続けることが大切になります。薬物療法を始めると、尿酸値は簡単に下がるため、生活改善を怠る、やめてしまう人が出てきますが、これは禁物。生活改善はあくまで治療の前提です。痛風治療は、長い目で根気よく取り組む姿勢が不可欠です。

尿酸値が高い人のリスク

合併症 多数 腎臓、脳、心臓の障害のほか、糖尿病などの

合併症

合併症 多数 腎臓、脳、心臓の障害のほか、糖尿病などがあります。

合併症 激痛の改善が最優先だが本当に

痛風という病気の特徴は、なんといっても発作を起こしたときの激痛です。「風が吹いても痛い」というのが病名の由来といわれるほどですから、その痛さはすさまじいばかりで、体験者によってさまざまな表現で伝えられています。

なかでも多いのが、足の指が骨折したと思ったというものです。それまで経験したことのない痛さがいきなり襲ってくるため、考えられる最悪の事態として瞬間的に骨折を思い浮かべるようです。

そのほかでは、鉄の棒で殴られたよう、矢で射抜かれたらこんな痛みなのでは、生まれて初めて脂汗をかいた、車の運転中だったので事故を起こすのではないかと焦った、痛みが上まできたら命はないと思ったなどの体験談がよく聞かれます。

表現こそ違え、痛みの実感はよく伝わってきます。これほどの痛みを伴う病気ですから、痛風というと痛みだけが問題の病気と考えられがちです。しかし、痛風はそれほど簡単な病気ではありません。もちろん、耐えがたい痛みを早急に改善するのは痛風治療の最優先の課題になりますが、本当に怖いのは、痛風・高尿酸血症に伴って起こるさまざまな合併症です。

高血圧、高脂血症などが原因のメタボリックシンドローム

痛風・高尿酸血症の合併症には、命にかかわる重大なものがありますが、その前に気をつけなければならないのは、肥満や高血圧、高脂血症、高血糖(糖尿病)など、重大な生活習慣病を招くさまざまな病気です。意外に思う人もあるかもしれませんが、こうした状態も尿酸値の上昇に伴って起こることがわかっており、痛風・高尿酸血症の「立派な」合併症といえるのです。これらの症状は、最近注目されているメタポリックシンドロームの危険因子でもありますから、特に注意が必要です。

腎臓の機能低下や結石、心臓や脳の血管障害も合併症

高尿酸血症が引き起こす重大な合併症として、まず挙げなければならないのは腎臓病です。体内でつくられる尿酸のほとんどはいは腎臓に運ばれて尿といっしょに排せつ泄されますから、尿酸が異常に増えると、腎臓に障害が起きて、機能が低下します。進行すると腎不全を起こし、命にかかわる場合もあります。また、尿酸の異常な増加は、腎臓や尿路に結石ができる危険性を高くします。
そのほかでは、動脈硬化が主な原因で起こる狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳出血や脳梗塞などの脳卒中など、心臓と脳の血管障害があります。
尿酸値の高い人は、高コレステロール血症や高血圧など、動脈硬化の原因になる危険因子をもっている場合が非常に多くなっています。メタポリックシンドロームとも関連しますが、注意が必要です。

メタボは心臓病の危険性を30倍以上も高める

メタポリツクシンドロームというのは、肥満(内臓脂肪型肥満)に加えて高血圧、高脂血症、高血糖などの危険因子が複数重なると、心臓病や脳卒中などの重大な生活習慣病になる危険性が高くなるという新しい疾患概念です。

いま、中年男性の2人に1 人、女性の5人に1人はその危険性があるとされています。実際、メタポリツクシンドロームの人は、狭心症や心筋梗塞などの疾患にかかる危険性が30倍以上に上がるというデータもあります。

高尿酸血症そのものはメタポリツクシンドロームの危険因子ではありませんが、危険因子である高血圧、高脂血症、高血糖を合併する原因になります。メタポリックシンドロームを防ぐためにも、尿酸値を正常に保ち、これらの合併症を防ぐことが大切です。

本当に危険なのは命にかかわる 合併症

尿酸値が高い人のリスク