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肥満も高尿酸も撃退するダイエット法

極端なダイエットはリバウンドの危険大

ダイエットというと、何か特別なことをしなければならないと思う人も多いようですが、そんなことはありません。むしろ食事量を半分以下に減らしたり、1日中ゆで卵やトマトしか口にしないなどの極端なダイエット法のほうが問題です。

そうした極端なダイエットに走って、急激な体重減少を実現する必要はありません。流行のダイエットで短期間に体重を落としても、ほとんどの場合はすぐにリバウンドしてしまい、以前より太ってしまうのが通常のパターンです。

無理のない範囲で、着実なダイエットを行うように心がけましょう。リバウンドの心配のないダイエットを実現するには、何ヶ月かの長期決戦で、食事と運動の習慣を見直していくことが大切です。

次に挙げるようなポイントを日々の生活のなかでしっかりと実践し、習慣として定着させていけば、着実に体重の減少が期待できますし、同時に健康的な生活を手に入れられるでしょう。

肥満を防ぐ食事の基本6ポイント

1日3食、規則正しく食べる
朝食や昼食を抜いたりすると、道に脂肪細胞の増殖が進みます。食事の間隔があくと、結果的にどか食いを招きやすく、ダイエットには逆効果です。
野菜など低エネルギーのものから食べる
野菜や海藻、きのこ類など、エネルギー量の少ないものから食べ、そのあとで魚や肉類、最後にごはんやパスタなどの炭水化物を食べるようすると、食べすぎが防げ、余分なエネルギーの吸収も抑えられます。
満腹するまで食べず、腹八分目を心がける
常に腹八分目を心がけていると、それが当たり前になって自然に過食が防げます。また、1日の食事のウェイトは朝食や昼食におき、夕食は軽めを心がけます。
早食いをせず、よくかんで食べる
これが実はとても大切。早食いは本当に過食のもとなのです。ゆっくりかめば満腹感を感じられ、食べすぎを防ぐことができます。
甘い物などの間食は控える
菓子やケーキなどの甘い物は控えます。どうしてもという人はところてんやこんにゃく入りのゼリー、低脂肪のヨーグルトなどがおすすめです。
夜9時以降は食べない
夜遅く食べると消化が進まず、エネルギーの過剰摂取につながります。
肥満を防ぐ運動の基本3ポイント
ウォーキングや水泳などの有酸素運動を習慣にする
ウォーキングは1日30分、できれば毎日、最低でも週3回は行う習慣を守りましょう。
乗り物やエスカレーターなどは避け、できるだけ歩く
近くに行くにもすぐ車に乗るような生活は改め、できるだけ自分の足で歩くように心がけます。通勤時、駅などではエレベーターやエスカレータ一に乗らず、階段を利用するようにします。近くに出かけるときは、自転車ではなく徒歩がおすすめ。
だらだらとせず、生活の中でてきばきと体を動かす
デスクワークの人は仕事の合間にこまめに体を動かす習慣をつけましょう。また、家事はてきばきとこなし、その合間にストレッチなどを積極的に行うようにします。
肥満人口は世界的に増加傾向

「肥満」はいまや世界的な問題になっています。WHOが2005年に発表した推計によると、60億人余りの世界人口のうち10億人以上が太りすぎで、このまま増え続けると2017年までに15億人に達するといいます。

同統計によると、30歳以上の7 5 %以上が肥満とされるのは、国別にみて、男性がアルゼンチン、ドイツ、ギリシャ、クウェート、ニュージーランド、イギリスなど、女性はエジプト、マルタ、メキシコ、南アフリカ、トルコ、アメリカなどとなっています。
別の統計ですが、経済発展の著しい中国でも肥満人口は急増中で、なんと約2億6000万人にも達するといわれます。このままいけば、近いうちに間違いなく「痛風・糖尿病大国」になるだろうと、多くの学者や医師が指摘しています。

そんななかで日本ももちろん例外ではなく、2002年の厚生労働省の発表では、男性1300万人、女性1000万人、合計で2300万人が肥満とされています。20年前の約2倍にもなっており、増加の一途をたどっています。

家だけでなく職場でもこまめに体を動かす

バス停や駅などで1区間分を歩くだけでも日常の運動量はアップする

ウォーキングはもっとも手軽にできる運動ですが、たとえそのような運動でも、会社勤めなどで時間を制約され、それを行うための20分、30分の時間が1週間に何日も作り出せないという人は、現実には少なくないと思います。

そういう人は、日常生活の中で「歩き″」を増やすことを考えてみてください。ウォーキングというと何か特別なことのように考えがちですが、要するに歩くことです。

たとえば、通勤にバスを使うサラリーマンであれば、バスに乗る区間を1つか2つ減らし、その分を歩く。主婦であれば、スーパーまで自転車に乗らないで歩いていく。あるいはまっすぐ歩けば10 分でつくところを、荷物のない行きだけは遠回りして30分かけて歩く。エスカレーターやエレベーターはできるだけ利用しないで階段を使う。たつたこれだけのことで、運動量はぐんとアップします。歩く際にウォーキングの歩行法を取り入れれば、申し分なしです。

文明の利器に頼りすぎない

歩くこと以外にも、日常生活で運動量を増やす方法はいくらでもあります。近年の生活では、スイッチを押せばたいていのことは機械がやってくれ、ほとんど体を動かさなくても何不自由なく暮らせるようになっています。そのよい例が家事でしょう。洗濯にしても掃除にしても、いまは洗濯機、掃除機を使うのが当たり前になっていますが、簡単な洗濯物は手で洗い、床の雑巾がけをこまめにするなどを心がけていると、家事労働も立派な運動になります。
窓ふきなどは、理想的な全身運動です。お父さん方は「おーいお茶」「おーい新聞」をやめることです。キッチンまで行って自分でお茶を入れる、新聞も自分で取りに行く、テレビやエアコンはリモコンがあっても本体で操作する。
ちりも積もれば山となるというように、このような小さな積み重ねによる運動効果もばかになりません。

便利さと引き換えに運動量はどんどん減少していっていますが、私たちの生理機能は元来、自分の足や手を使う生活に対応しています。じつとして動かないというのは、人間本来の姿ではないのです。その気になれば、仕事をしながらでも、テレビを見ながらでも、運動はできます。身近なところから改善していってください。

通勤途中や仕事の合間などにできる「ながらストレッチ」
  • つま先でたつ
  • 片足で立つ
  • 太腿を強くしめたり緩めたりする
  • 腕に力をこめてつり革をぐっと引き寄せたり伸ばしたりする
オフィスのデスクで
  • ひざやかかとをあげる
  • ひざを組んで片側のひざ頭でもう一方の足のふくらはぎをマッサージする
  • 大きく伸びをして首や背中、腰の筋肉を伸ばす
家での日常動作
  • 靴下をはくときは片足で履く
  • 床や畳に腰を下ろした姿勢から立つと時は手を使わずにたつ
  • 寝転がってテレビを見ているときは片足ずつ足を上げ下げする
  • 寝る前の布団、ベッドの上で両足を高く上げたり上半身を上げて腹筋を鍛える

運動は無理なく楽しみをプラスしながら

ニコニコペースで行える運動がその人に最適な運動のペース

一般的に、痛風になる人は競争心が高く、ノルマ達成への執着が強いことから、何事においてもがんばりすぎてしまいがちだといわれます。

運動についてもその傾向がみられますが、無理をせず、「ほどほど」の域を出ないように心がけるようにしましょう。運動中でも隣の人と楽に会話ができるくらいの強さの運動を「ニコニコペースの運動」と呼び、それが安全性の面で問題なく、しかも運動療法の効果も確実に上げられる、その人に最も適した運動の強さであるという専門家がいます。

有酸素運動の中でも特に推奨されるウォーキングは、まさに「ニコニコ運動」の代表といえるでしょう。ウォーキングにこだわらなくてもかまいません。自分がニコニコペースで行える運動を選ぶことが大切です。

客観的には年齢と脈拍数で運動強度がチェックできる!

隣の人と談笑しながらうっすらと汗をかく程度で行えるというのがその人に合った運動強度といえるわけですが、これはかなり主観的な判定法です。

そこで、自分で脈拍がとれる人は、運動直後に脈拍数を測ると、運動の強さが適切かどうかをもっと客観的に知ることができます。
厚生労働省でも年代別の目標心拍数を発表しており、これもひとつの目安になります。また、その下に挙げた数式からも、適切な運動強度が予測できます。

これにあなたの年齢をあてはめ、計算してみてください。そこで求められた数値と運動直後の1分間の脈拍数がほぼ同じなら、それはあなたにちょうどよい強さの運動です。この数値より低い場合は、療法としての運動効果はあまり期待できません。逆に超えている場合は、強すぎということですから、尿酸値を上げるなどの心配が出てきます。

自分の脈拍数と最適脈拍数とを照らし合わせることで、運動強度が適切かどうかを知り、強さの調整を行うことができるというわけです。
この方法は運動を終えてからの脈拍数でチェックするのが原則ですが、運動初心者は強度の見当がつかず、ひと通り終えるまで強すぎるか弱すぎるかの判断ができないというのでは不安かもしれません。そのような人は運動の途中で一時中断し、脈拍数を測ってみましょう。

ある程度の判断はそれでもつきます。運動中に違和感を感じた場合も、途中で脈拍をチェックしてください。

合併症のある人などは必ず医師の指導を受ける

220-年齢×0.6=運動直後の最適脈拍数です。

最適脈拍数の数式をもう少し説明すると、「220-年齢」は強さの上限となる最大脈拍数の目安、0.6は60% の意味です。なぜ最大脈拍数に60% をかけるかというと、一般的に運動の強さはその人の限界の60% くらいの負荷がちょうどよいとされているからです。
ただし、年齢、肥満度、症状の程度によっては、40~50%ともう少し低めの負荷に設定したほうがよい人もいます。
合併症のある人や薬物療法を併用している人などは、事前にどんな運動をどの程度行うのが安全で効果的かを主治医に指示してもらうのが安心です。

脈拍は運動直後に10秒測ってその数を6倍する

脈拍は、人差し指、中指、薬指の3 本の指をそろえて手首の内側にあてて測ります。脈拍数は1分間の数が基準になりますが、1分間じっと手を当てて「100、101、102…」と数えるのでなく、110秒間測り、それを6倍した数値を1分間の脈拍とすることがポイントです。
なぜ1分間続けて数えないかというと、数字が大きくなればなるほど数え間違いもしやすくなりますし、脈拍は運動を中止するとすぐに下がって通常の状態にもどるからです。脈拍数は正しく測定してはじめて運動強度判断の目安にできるので、できるだけ正確に測りましょう。
また、最近では腕時計タイプの心拍計も市販されているので、機会があれば活用してみてください。

1日1万歩、連続30分などにこだわらない

体調に応じて運動を休んだり運動時間を短縮することも必要

運動は1回にある程度の時間連続して、できれば毎日行うほうが療法としての効果が上がるのは確かです。しかし、慣れるまでの最初のうちは時間や頻度にこだわらなくてかまいません。

「1分でも長く、できるだけ日にちの間隔をあけないで」を当座の目標に、まずは実践してみること。いきなりの大きなノルマは、体に負担もかかりますし、中断の原因にもなりやすいものです。

そして、運動療法が軌道に乗ってからも、無理は禁物です。体調があまりよくないときにもかかわらず、「短時間では効果がないから」「もう少しがんばらなければ1万歩が達成できないから」「毎日しなければならないから」などという義務感も関心できません。
運動療法の意義は長い目で見てこそ発揮されるものです。一時の無理を通して逆に健康を損なう結果になってしまったのでは、本末転倒といえます。

風邪気味のとき、寝不足気味で体調が悪いときなどは、日課にしている運動をパスする勇気も必要です。運動のしかたによっては、疲労物質が蓄積し、翌日に疲れが残ってしまうことがあります。このようなときは、パスしないまでも、運動時間を短縮するようにしましょう。

脱水による尿酸値上昇を防ぐため運動中はこまめに水分補給を

臨機応変な対応は、運動中に疲労や異変を感じたら中断するなど、運動を始めてからも必要です。また、戸外での運動を習慣にして汗をたっぷりかくと脱水になる可能性もあります。

そんなときは屋内の運動に変えるなど、場合によっては運動内容を変えたほうがよいこともあります。運動中のアクシデントを避けるためのポイントとしては、特に尿酸値の高い人では、運動中の水分補給を心がけるということが非常に大切です。
運動で汗をたくさんかいて脱水になると、腎臓から尿酸が排出されにくくなり、尿酸値が上昇する原因になるからです。

水分を多めにとると、体内で生成された尿酸が尿中に溶けて排出されやすくなり、尿酸量を一定に保つことができます。なお、水分を取るときは、一度にたくさん飲むより、少量ずつ何回かに分けて飲んだほうが効果的です。ウォーキングを行うときなどは、なるべくペットボトルの水を携帯し、途中で水分を補給するようにしましょう。
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運動を行うときの注意
  • 過激な運動は避ける
  • 危険な場所での運動は避ける
  • 寒冷や熱暑の中での運動は避ける
  • 悪天候時の戸外での運動は避ける
  • 体調不良のときは無理に行わない
  • 運動前に必ず準備運動を行う
  • 運動前、運動中に水分摂取を行う
  • 運動後のクールダウンを行う
  • 異変を感じたらすぐに受診する
医師に相談してから行う人

運動をするということは、体全体にふだんとは違う大きな負荷をかけるということです。不用意に運動を始めると、人によっては運動中に救急車騒ぎともなりかねません。

一般の人が早足で歩く程度なら特に問題ないと思われますが、次のような人はどんなに軽い運動でも事前に医師に相談し、アドバイスを受けるようにしてください。また、このような人が運動をする場合は、運動中の不測の事態を避けるために、できるだけ家族や友と行うようにするとよいでしょう
高齢者など極端に運動不足の人
尿酸値が異常に高い人
狭心症、心筋梗塞、心不全など心臓疾患がある人
脳梗塞、脳出血などがある人
治療が必要な高血圧症のある人(少しの運動でも血圧が急上昇することがある人)
肺に疾患がある人
眼底出血がある人

ウォーキングをより効果的に行うために

施設や器具も必要としない究極の運動は「歩くこと」

運動というと、野球、サッカー、テニス、バレーボールといった、いわゆる運動競技をイメージする人が多いのではないでしょうか。

しかし、「歩くこと″」も立派な運動です。「スポーツが苦手だから」「時間がないから」は、運動不足、運動回避のいいわけにはなりません。

ふだん運動をほとんどしない人は、とりあえず家のまわりをブラブラ散歩するだけでも、それなりの効果は得られます。まずは歩くことに親しんでください。
そして、歩くことに慣れてきたら、さらにもう一歩前進して、運動としての効果をアップさせるために、ウォーキングにトライしてください。

ジョギングほど足腰に負担がかからないので、中高年や高齢者も安心して行えると思います。手を前後に大きく振り、大股でサッ、サッと歩くウォーキングの歩行法は想像以上にエネルギーの消費が大きく、20~30分も行っていると寒い季節でも汗がにじんできます。体内の脂肪が効率よく燃えていることが実感できるでしょう。

毎日20~30分続けると驚きの効果が

ウォーキングを地道に続けていると、肥満の予防・改善、尿酸値の低下ばかりでなく、心肺機能の向上、血圧や血糖値の正常化、中性脂肪の減少、善玉(HDL)コレステロールの増加、老化や認知症の予防、骨粗鬆症の予防、さらにはストレス解消など、さまざまな健康効果が期待できるようになります。

治療を目的とした運動の消費エネルギーの目安は、1 日150kcal、1 週間で1050kcalくらいです。この日標値は、ウォーキングを1回30分以上、毎日行うとクリアできます。

毎日できない人は、1回60分、週3回でも同じ効果があります。歩数にすると、ウオーキングの歩行法で「1日1万歩」がひとつの目安、目標になっています。

ある調査によると、一般の人の歩行数は平均3000~4000歩。その2~3倍は歩く必要があるわけです。ただ、ふだんあまり歩かない生活を送ってきた人にとって、毎日30分以上も歩くことは面倒に感じることでしょう。

そのような人は好きな音楽を聴きながらリズムに合わせて歩くなど、自分なりに工夫しながら挑戦してみましょう。自分なりの目標を掲げて、今日から歩いてみませんか。

ウォーキングに適した靴

ウォーキングをするときは、必ずウォーキングシューズ、ジョギングシューズ、運動靴を履くようにしたいものです。つま先に1 cmほどの余裕があって指が自由に動かせるもの、靴底が厚めでしっかりしているもの、足の甲や土踏まずのカーブがフィットしているものを選ぶとよいでしょう。

ひもつきのものは、足の指が靴の中で自由に動かせる程度にゆるめにひもを結び、足首に近いところで靴が脱げないようにしっかり結ぶのがコツです。

ひもを結んだまま脱いだり履いたりできるのはゆるすぎるということです。足に合わない靴で長時間歩き続けるとマメや靴ずれの原因になるので、注意しましょう。

軽めの有酸素運動が尿酸値を下げる

尿酸コントロールに有効な省エネタイプの有酸素運動

ゆっくりとした軽い運動、つまり有酸素運動が肥満解消に役立つことは先に述べたとおりですが、体内の尿酸産生が問題となる痛風や高尿酸血症の人にとって、減量効果とともに見逃せない大きなメリットがもうひとつあります。

それは尿酸値を下げる効果です。運動エネルギーは、エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が分解され、ADP(アデノシンニリン酸)に変化する過程で獲得され、エネルギーの「燃えカス」であるプリン体は尿酸として排泄されますが、有酸素運動と無酸素運動ではこのエネルギーを作る過程に大きな違いがあります。
有酸素運動は、パワーは小さいのですが、「ATP→ADP→ATP」…というように、ADPをATPに再合成し、くり返し使うため、プリン体をあまり作り出さず、尿酸値を上昇させません。有酸素運動が「省エネATP再利用型」の運動であるのに対して、無酸素運動は「ATP使い捨て型」。

パワーは爆発的に大きいのですが、「ATP→ADP→プリン体」と、通常より速いスピードでプリン体を作り、どんどん放出するため、筋肉の尿酸が一時的に過剰状態になり、尿酸値が上昇します。このようなことからも、無酸素運動より有酸素運動のほうがよいといえるのです。

継続して行うためには運動の選び方がポイントに

肥満を解消し、尿酸値を下げることを目的にするなら、思い出したようにたまに体を動かすのでは、効果は期待できません。また、運動の効果が現れるまでには、早くても2~3ヶ月はかかります。運動する習慣を日常生活の中に取り込むことが必要です。

運動を継続させるコツは、経済的で心身に負担がかからず、いつでもどこでも1人でできる運動を選ぶことです。ウォーキングなどはもっともおすすめの運動といえるでしょう。もうひとつ、できるだけ決まった時間帯に行うというのも、長続きさせるポイントです。
時間帯を決めておくと、日常生活の中に習慣として組み込まれ、それをしないと1日の区切りがつかないと思うぐらいになります。自分にとって最も適した運動をみつけ、それを習慣化して、体重や尿酸値を上手にコントロールしてください。

各種運動をするときのポイント
ウォーキング
よい運動の条件をすべて満たしています。できるだけ1 回に20~30分以上続けて行うようにしましょう。
スイミング
足腰、特にひざへの負担が少ないのが魅力です。泳げない人は水中を歩くだけでもよい運動になります。ただし、競泳、潜水はおすすめできません。
ジョギング
有酸素運動とはいえ、意外にハードです。医師やスポーツインストラクターの指導を受けながら慎重に行ってください。
サイクリング
交通量の多い道やアップダウンの多い道を避け、自分の体力に応じて楽しみましょう。
テニス・ゴルフ
楽しみながらマイペースで行う分には問題ありませんが、勝負を競うようなプレーのしかたは考えものです。
野球などの団体競技
マイペースが守りにくく、勝敗がストレスになることもあります。毎日のように行えないということを考え合わせても、運動療法向きとはいえないでしょう。
ベンチプレス・ウェイトトレーニング
血圧が一気に上がり、心臓に大きな負担がかかります。血圧の高い人や心臓に不安のある人は禁物です。行うときは、医師に相談してください。

激しい運動は尿酸値を上げる

激しく動くスポーツ選手には意外に痛風の人が多い

あなたには「スポーツをしている人」 イコール「健康な人」というイメージはありませんか。野球やサッカー、テニス、ゴルフ、陸上といったスポーツ選手のはつらつとしたプレーを見ていると、「この人たちは痛風とはまったく無縁ではないか」と思ってしまうのではないでしょうか。ところが、実際には、若いスポーツ選手が痛風に悩まされている例は意外に多いのです。

痛風になった人とそうでない人を比べると、痛風の人のほうがスポーツをよく行っているというデータもあります。なぜスポーツをする人に痛風が多いかというと、激しく体を動かすこしんとよって筋肉を中心に臓器器官の新ちんたいしゃ陳代謝も活発になり、通常のスピードより早く体内でプリン体が作られるため、筋肉の尿酸が一時的に過剰状態になるからです。

つまり、短時間で体内に尿酸が蓄積され、痛風発作などを起こしやすい状態になるわけです。また、運動量が多いと汗をたくさんかきますが、発汗作用によって体内の水分が欠乏すると、腎臓から尿はいせつ酸が排泄されにくくなります。

これも尿酸値を上げる原因となります。ふだんあまりスポーツをしない人が激しい運動をした場合では、尿酸値が2倍近くまで上がることもあります。
尿酸値を下げるつもりで行ったスポーツが、逆に尿酸値を上げる結果になってしまわないように十分に注意しなければなりません。

痛風の人におすすめなのはゆっくりとした軽い運動激

激しい運動によって起こる可能性のあるトラブルは、尿酸値の上昇に関すること以外にもあります。汗をかきすぎて脱水気味になると、筋肉の硬直も招きます。そのため、ねんざや肉離れといった事故も発生しやすくなります。

ウォーミングアップなしでいきなり激しい運動を行うと、場合によっては心臓発作などを起こし、命にかかわることもあります。日ごろから体を鍛えているはずのスポーツ選手でさえこうなのですから、一般の人はなおさら注意が必要です。

しかし、間違ってはいけません。「運動はしないほうがいい」のではありません。運動の影響は個人差があり、一概にこうだとはいえませんが、一般に「適度な運動」を長期間継続して行えば、肥満解消や尿酸値を正常範囲内にコントロールする効果が期待できます。

体全体の健康のために「適度な運動」は不可欠です。大切なのは運動の強さと行い方を考えることです。無理な運動は長続きもしません。
尿酸値が高い人は、年齢を問わず、ハードなスポーツにトライしたり、ヘトヘトになるまで運動したりするようなことは避け、ゆっくりとした軽い運動を定期的に行うようにしましょう。

運動でも急発進、急停止は危険

車を急発進させれば、エンストやスリップを起こしてしまいます。走行中に急ブレーキをかければ、スピンしたり、後続車に追突されるという事故を招いてしまいます。

運動をするときの人の休も同じで、「急発進」「急停車」は事故のもと。運動前のウォーミングアップ(準備運動) はたいていの人が行っていると思いますが、運動後のクールダウン(整理運動)もセットで行うことが大切です。

なぜクールダウンが必要かというと、運動中に筋肉を盛んに動かすためのエネルギーは、体内にあるグリコーゲン、糖質、脂肪などが酸素と結びつき、燃焼することによって生み出されます。

そして、そのしくみを陰で支えているのは心臓です。心臓が血液循環を活発にして筋肉に酸素と必要な栄養分を届け、一方で静脈を通じて老廃物を回収する役割を果たしているのです。もし運動を急にやめると、それまで順調に供給・消費されていた酸素や栄養分が停滞したり不足したりし、心臓は必要以上に血圧を上げてそれをカバーしようとします。

また、筋肉内にも十分な酸素が供給されないため、疲労物質の乳酸などが蓄積され、筋肉は硬直し、血管にも悪影響を及ぼします。運動前はもとより、運動後も必ず深呼吸で十分な酸素を体内に取り入れ、ゆっくりとした屈伸運動や柔軟体操を行って、それまで活動していた筋肉や臓器器官を少しずつ平常の状態に戻しましょう。

まずは運動量の目安を知ろう

運動で消費するエネルギーは意外に少ない

尿酸値の高い人には肥満対策が必須ですが、その大きなポイントとなるのが、食事での摂取エネルギーの制限、そして運動です。また、意識的に体を動かすことは、肥満の解消だけでなく、さまざまな効果をもたらします。

インスリンの働きを活発にして、血中の中性脂肪を減らすほか、心肺機能を高めて血行をよくし、血圧の上昇を抑えます。このように、尿酸値の高い人には、摂取エネルギーの消費と合併症の予防という、一石二鳥の効果が期待できます。ただ、体を動かすことで消費されるエネルギーは意外に少ないものです。

日常生活における活動や運動による消費エネルギーは次以下の表のとおりですが、たとえばジョギングでごはん1膳分のエネルギーを消費しようとすると、少なくとも20~30分は走らなくてはいけないことになります。

このようにいうと、「エネルギーをどんどん消耗するような激しい運動をするほど、早く効率よくやせられるのではないか」と考える人もいるかと思いますが、実際はそうではありません。

脂肪を効率よく燃やすなら軽い運動を1回に長く

運動は、「無酸素運動(アネロビクス)」と「有酸素運動(エアロビクス)」の大きく2つに分けられます。無酸素運動は、短距離走やベンチプレスのように、呼吸をせずに一気に激しくエネルギーを燃やす運動です。そのエネルギー源としては、主に糖質が使われます。

一方の有酸素運動は、酸素を体内に十分取り入れながらゆっくりとエネルギーを燃焼させる運動です。たとえばウォーキング(早歩き)やジョギング、サイクリング、エアロビツクダンス、スイミングなどで、このような運動では糖質とともに脂肪がエネルギーとして消費されます。

また、脂肪が燃え出すまでには時間がかかり、燃焼が最高潮になるのは運動を始めて約12分後。5分や10分の運動では、脂肪が不完全燃焼のまま終わってしまうことになります。
いかに体力に自信がある人、アスリートを自称する人でも、全力疾走を15分も続けることは不可能でしょう。つまり、体内の余分な脂肪を燃やすためには、遠回りのようでも、激しい運動を短時間行うより、ゆっくりとした軽い運動を1回に長く続けるほうがずっと効果があるのです。

運動の種類別・エネルギー消費量
運動や活動の種類 エネルギー消費量(kcal/30分)
60kg 50kg
日常的な生活活動
ゆっくりとした歩行・散歩 45 35
普通の歩行(通勤・買い物) 65 50
急ぎ足の歩行(通勤・運動) 105 85
家庭菜園・草むしり 60 50
自転車(普通の速度) 80 65
軽めの運動 60kg 50kg
ゲートボール 60 50
ボーリング・フットボール 75 60
キャッチボール・ゴルフ・ダンス 90 75
サイクリング(時速10km) 100 85
ラジオ体操 100 85
激しい運動 60kg 50kg
ジョギング(分速120m ) 180 145
なわ跳び(1分間に60~70 回) 240 195
水泳 (平泳ぎで軽く流す) 300 245
水泳(クロール) 600 490