食物繊維を十分にとって便秘、肥満を防ぐ

脱・生活習慣病の最後の切り札

食物繊維(ダイエタリーファイバー)は糖質の一種で、その中でも人間の消化酵素では分解されない成分をさします。

食物繊維は栄養として体に吸収されるものではないため、栄養面では重要視されてきませんでしたが、深刻化する生活習慣病の予防に役立つことが次々と明らかになり、現在ではたんばく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルに次ぐ「第六の栄養素」と呼ばれるようになりました。
主な働きをあげてみましょう。ブドウ糖の吸収速度をゆるやかにし、食後の急激な血糖値の上昇を防ぐ1糖尿病の予防・改善に有効血中コレステロール値を正常にコントロールする1動脈硬化や心臓病、循環器系疾患などの予防・改善に有効発がん性物質など腸内管の有害物質を排出する1がんの予防、食品添加物などの害の軽減に有効
便をやわらかくする→痔の予防・改善に有効
便のかさを増やして腸の働きを活発にする→便秘の予防・改善、大腸がんの予防に有効
腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える→便秘の予防・改善に有効

肥満の予防・改善効果も痛風の人には見逃せない!

このように、尿酸値の高い人が併発しやすい糖尿病などの疾患の予防と改善に食物繊維は絶大な威力を発揮しますが、働きとしてもうひとつ見逃してはならないのが、肥満の予防・改善効果です。

繊維質の食品はよくかまないと飲み込めないため、必然的にかむ回数が増えます。このことによって、満腹中枢が刺激され、食べすぎによる肥満を予防・改善してくれるというわけです。

また、食物繊維の供給源となる食品のほとんどは、低エネルギーです。たくさん食べてもエネルギーオーバーになる心配がないのです。
食物繊維の目標摂取量は1日20~25グラムとされていますが、現在の日本人の摂取量は平均15~16グラム程度と不足の傾向にあります。少なくとも目標摂取量はクリアするように心がけ、ウェイトコントロールに役立てましょう。
最近の日本人の腸の傾向とさまざまな症状

せっかくのメリットをデメリットに変えないように

食物繊維をたくさんとるときに注意したいのは、カルシウム、鉄、ビタミン類など他の栄養素の不足です。食物繊維は体の中をスルスルと通り抜けていきますが、そのときに各種栄養素を道連れにし、栄養として消化・吸収される前に便と一緒に排泄させてしまうことがあるからですカルシウム、鉄、ビタミン類は、それでなくても不足しやすい栄養素です。併せて多めに補給することが大切です。

なお、食物繊維を急にたくさんとると、人によってはおなかがはったり、下痢や腹痛を起こすことがあります。これは一過性のもので、心配ありません。少しずつ量を増やしていくようにしてください。

食物繊維には水溶性と不溶性がある

食物繊維は、野菜やきのこに多く含まれる「不溶性食物繊維」と、こんにゃく、海藻、果物などに多く含まれる「水溶性食物繊維」の大きく2つに分けられます。

食物繊維にはいろいろな働きがありますが、発がん性物質などの有害物質を外へ追い出す働きをするのは主不溶性食物繊維、血糖の上昇抑制や血中コレステロール濃度の正常化に働くのは主に水溶性食物繊維です。
便秘と下痢で食べ分ける(水溶性・不溶性食物繊維)