エネルギー量を減らす工夫をする

摂取エネルギーを上手に減らすには

エネルギーを抑えるためには、まずは高カロリーの食品を控えることです。和食には低カロリーの食品が多いので、これらを上手に利用したいものです。

エネルギーが多いものを控える

コレステロールが多く含まれている食品は、一般にエネルギー量も高いので、こういった食品を控えるのは基本であり、大切なことです。例えば、ロースなど豚肉の脂身や、ラードやバターなどは、特に非常にカロリーの高い食材です。また、飽和脂肪酸を多く使っているケーキや菓子類、そのほか、インスタント食品などもカロリーが非常に高く、しかもコレステロールも多く含まれているのです。

食生活の改善には、やはり、カロリーが高い食材や食品を控えるということがポイントといえます。そして、カロリーが低く良質なタンパク質が多く含まれている食材、食品を毎日の食事に上手に取り入れることで、食事療法を長続きさせます。

良質なタンパク質をたくさん含んでいる食品には、赤身の肉や白身の魚、大豆類があります。また、きのこ、野菜や海藻には、食物繊維、ビタミン、ミネラルがたっぷり含まれています。これらの低カロリーの食品を他の食品と組み合わせて食べることで、コレステロールや中性脂肪の摂りすぎを防ぎ、上手に摂取エネルギーを減らすことができます。

ちなみに、豆腐1丁には牛肉100gと同じくらいのタンパク質が含まれていて、脂質は肉類よりも良質です。大豆の脂質には、コレステロールを下げる働きをする不飽和脂肪酸が豊富に含まれているのです。さらに、大豆に含まれているサポニンという物質には活性酸素によって酸化された脂質を分解する働きがあり、大豆は抗酸化食品でもあります。

エネルギーを摂りすぎないための調理のポイント

摂取エネルギーがオーバーしないように、調理法も工夫してみましょう。油脂分を減らすには、食材を揚げたり炒めたりするよりも、茹でたり蒸したりするほうが良いです。焼き肉やステーキならフライパンや鉄板より金網で焼いたほうが良いし、脂の多い肉などを煮込む時にはアクをよく取ります。

油をたくさん使う料理は高カロリーなので、減量したい人には大敵なのですが、おいしいものはやっぱり食べたいですよね。血清コレステロール値が高い人の場合には、揚げものや炒めものをする時にも、できるだけ植物油を使いましょう。

揚げものをする時の工夫

エネルギー過多になってしまう揚げものですが、ちょっと工夫するとエネルギーを減らせます。

  • 油の使用量を少なくするために、鍋はフッ素樹脂加工のものが良い。
  • 油の吸収を減らすために、高温で短時間で揚げる。
  • 油を吸いやすい食材は避け、材料を小さく切りすぎないようにする。
  • できるだけ衣は少ないほうが良い。(天ぷらよりフライ、フライよりから揚げ、から揚げより素揚げ)
  • 油の吸収を減らすために、衣にする粉は小麦粉よりも片栗粉のほうが良い。

食事の量を見直す

標準体重よりも多い人は、食事の量を減らして、適正なエネルギー量にコントロールしましょう。

早食い、大食いを直す

コレステロール値の高い人、糖尿病や痛風、脂肪肝などの合併がある人は、肥満であることが多いです。標準体重をオーバーしている人は、まずはとにかく現在の体重を減らさなければいけません。一般的に、太っている人は早食いや大食いなことが多いので、この習慣を改めましょう。早食いだと満腹感を得る前に食べ過ぎてしまうので、良く噛んでゆっくり食べます。間食やアルコールの量も控えるようにして、一日の全体の食事の量を減らします。

腹八分目で1日3食

体重のコントロールをするのに、いちばん簡単に自分でできるのは、食事を腹八分目に抑えることです。一日に3回の食事をきちんととって、腹八分目の量をゆっくり食べることが減量につながります。

急激に減量をすると、エネルギーの代謝のバランスが乱れ、体をこわすことがあります。減量が目的であっても、急に食事を抜いたり、激しい運動を始めるのは良くありません。正しく減量するためには、まずは栄養バランスの良い食事を3食きちんととること。そして、お腹がいっぱいになるまで食べないことです。

摂取する量を減らしたい食品は

毎食ご飯を何杯もおかわりしているという人は別として、普通の人は、主食を減らすのではなく、脂っこいおかずを減らしましょう。主食のご飯を減らしても、その分おかずの量が増え、カロリーオーバーになってしまうことも考えられます。

ご飯は糖質の中でも消化吸収がゆっくりで腹もちが良く、満足感が得られます。ご飯茶碗に軽く盛った一膳分のご飯は、エネルギー量からみても必要なのです。

甘い物は糖質のかたまりのようなもので、どんどん体内に吸収されていき、体重の増加につながります。食べ過ぎに気をつけましょう。また、アルコール飲料を飲む人なら、それも量を減らしましょう。

減量はゆっくりおこなうこと

体重を減らすには、栄養のバランスを考えて食事を改善し、摂取エネルギーに基づいて食事の量を減らしていきますが、重要なのは、そのペースです。急激に体重の減量をおこなうと、HDL(善玉コレステロール)が減少してしまうのです。善玉コレステロールを減らさないよう上手く減量するには、1ヶ月に1~2㎏減らすことを目標に、ゆっくり体重をおとしていくと良いでしょう。

激しい運動で活性酸素が生じる

活性酸素とは

動脈硬化やガンなどの病気の発生、老化の促進などに、活性酸素が大きく関係していることは以前からわかっています。酸素は私たち人間をはじめ多くの生物が生きていく上で必要なものですが、この酸素の一部に毒性のある活性酸素が含まれています。活性酸素は大気中の酸素に含まれている他に、私たちの体内でも生成されていて、血液の中に溶け込んだ酸素が消費されてエネルギーに変わるときに、その一部が化学変化を起こして活性酸素になります。

活性酸素は本来、免疫作用を助けるマクロファージが病原菌などを攻撃するときに使われているので、私たちにとって悪者なだけではないのですが、とても毒性の強い活性酸素に変化することがあるのです。この活性酸素にはタイプの異なる4種があって、それぞれの活性(毒性)が害を及ぼします。

運動をする・しないに関わらず、ただ座っているだけでも私たちには酸素が必要です。呼吸が荒くなるようなとても激しい運動をすると、それだけたくさんの酸素が必要になります。そして、呼吸をするときに活性酸素も一緒に体内に取り込まれているのです。

酸化に対抗する力

私たちの体内には活性酸素の毒性を消滅させる抗酸化物質があり、それらによって活性酸素を撃退する力を抗酸化能力といいます。抗酸化物質には、体内に存在するSOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)やカタラーゼという酵素、グルタチオンというアミノ酸化合物、食物から摂り入れられるカロテノイド、ビタミン類などがあります。

抗酸化能力は、個人の年齢や体力によって違いがありますが、年齢を重ねると自然に衰えてしまいますから、抗酸化作用のある栄養素を含んだ食物を意識的に摂るようにしたいものです。

激しすぎる運動は有害

適度に運動することは健康を維持するために大事なことですが、抗酸化能力が衰えてきた中高年の人がエアロビクスやランニングといった激しい運動をすると、体内には大量の活性酸素を発生させることになり、全身が攻撃されます。これが、老化を早めたり、糖尿病、ガン、脳卒中や心筋梗塞のような成人病を引き起こすことにもなります。

心筋梗塞では、心臓の冠動脈に血栓ができて、虚血になり、最悪の場合、突然死する可能性があります。また虚血は、神経が高ぶるようなストレスを抱えていたり、緊張した状態だったり、激しい運動をしたときにも起こることがあります。

このように、激しすぎる運動をすることで活性酸素が発生して体に有害になる、ということを記してきましたが、活性酸素が発生する原因には、激しすぎる運動だけでなく、紫外線、排気ガス、電磁波、たばこやアルコール、食品添加物、ストレス、炎症、呼吸など、私たちの身のまわりのさまざまなものがあります。

中性脂肪の改善におすすめの運動

運動療法に適しているのは、長く無理なく続けることができる運動です。身近な運動に、ウォーキングやジョギング、水泳などがあります。

私たちの体には、頭の先から足の先まで、200個以上の骨と600個以上の筋肉があるといわれています。そして、私たちが歩くときには、これらの骨と筋肉のおよそ80パーセントが、まんべんなく使われているのです。このことからもわかるように、ウォーキングやジョギング、ランニング、それに水泳も全身運動だといえます。

ウォーキング

ウォーキングは文字どおり歩くことです。このウォーキングには、とても優れた効果があります。それは、左右の筋肉を交互にリズミカルに動かすことによって、体中の筋肉と骨格を使う全身の運動であるということです。

個人の歩幅というのは、一般的に、その人の身長から100を引いた数値(センチメートル)だとされています。それと、歩くときには、その人なりのリズムがあります。運動療法を目的としたウォーキングでは、歩き方のリズムが大切です。その人なりのリズムで、少しでも速く歩くことがポイントになるのです。

ただ、その人の体力や年齢を考慮し、それに応じた運動量に調整しなければなりません。健康で元気な人の運動量よりも、ある程度運動量を抑えましょう。

ジョギング

自分の体力に合わせてゆっくり走るジョギングは、ウォーキングと同じように気軽に始められる運動です。しかし、ジョギングでは同時に地面から両足が離れる瞬間があり、ウォーキングでは地面に必ずどちらか片方の足が着いている、という違いがあります。そのために、着地する時に膝にかかる負担がジョギングのほうが大きくなります。運動不足の人や肥満の人は、足の付近を痛める可能性がありますので、ジョギングを始める前に、ウォーキングで慣らしておくほうがよいでしょう。

また、ジョギング用のシューズとウォーキング用のシューズは作りが違いますので、自分に合ったシューズを履きましょう。

ジョギングの極意は、自分のペースでリラックスして走ることです。初めのうちはつらいと感じるかもしれませんが、慣れてくると少しずつジョギングの楽しさがわかってくるでしょう。

スイミング

水泳(スイミング)は全身運動だということの他にも、水圧や水温による刺激が体にとても良い影響を与える運動です。ゆっくりと1時間泳ぐと、約360キロカロリーのエネルギーを消費します。泳がずにただ水中に立っているだけでも、1時間で約120キロカロリーくらいのエネルギーを消費することができます。

スイミングのメリットは、内臓器官の働きが水圧の作用によって高まることです。また、心臓や肺の機能も高めることができます。そして、水中では浮力が働くので、足腰の弱い人や関節痛の人も運動することができます。全身の血行が良くなって、体の疲れがとれます。

運動を始める前に知っておく

有酸素運動と無酸素運動

私たちの体では、摂取した糖質と脂質が分解され、生きていくのに必要な活動エネルギーに変換されているのですが、この分解の方法にはふたつの種類があります。ひとつは、筋肉や皮下に蓄えられた脂質と筋肉中の糖質を酸素で酸化させ、活動エネルギーにする方法で、これによる運動を有酸素運動といいます。もうひとつは、酸素なしで筋肉中の糖質のみを分解して活動エネルギーにする方法で、この方法にによる運動は無酸素運動といいます。

有酸素運動では、血清尿酸値が下がり、中性脂肪の分解酵素が活性化され、心肺機能が向上します。無酸素運動では、逆に血清尿酸値は上がります。

日常生活で、この有酸素運動と無酸素運動が上手く組み合わさることによって、私たちの体は、さまざまな動作や運動に対応出来るようになっているのです。

先にも述べたように、運動には、有酸素運動と無酸素運動があります。有酸素運動にはウォーキングやジョギング、マラソン、サイクリング、水泳などがあり、呼吸を整えながらゆっくり、そして時間をかけておこなう運動です。これらはすべて持続力を必要とする運動で、体内の脂質が主にエネルギー源です。一方、無酸素運動はというと、重量挙げや砲丸投げ、短距離走など、運動中に一瞬呼吸を止めたり、一気にそれをおこなう運動です。日常生活の中では、重いものを持ち上げる時の動作などがこれに当たります。こちらは、筋肉を緊張させ、瞬発力を発揮する運動で、体内の糖質が主にエネルギー源です。

有酸素運動は中性脂肪の分解に有効

有酸素運動をおこなうと、肺から酸素が供給され、その酸素を全身に運ぶために心臓が活発に働き、全身の血行が良くなります。これによって、全身で中性脂肪を分解する酵素が活性化され、中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールの分解が早まり、また善玉(HDL)コレステロールも増加します。有酸素運動をおこなうと、このように心肺機能が鍛えられて、血清脂質も改善されます。

体内の脂肪の燃え方

私たちが運動をするとき、無酸素運動から有酸素運動になります。まずは無酸素運動で、時間にするとだいたい30秒くらい、筋肉の中のグリコーゲンがエネルギーとして使われます。続く有酸素運動では、はじめのうちは筋肉の中のグリコーゲン、血液の中のブドウ糖、遊離脂肪酸がエネルギーとして使われます。そして、有酸素運動を15分ほど続けると筋肉中にグリコーゲンが足りなくなり、蓄えられていた中性脂肪が血液中に出てきて、酵素の働きによって遊離脂肪酸とグリセロールに分解されます。この遊離脂肪酸が、血液の流れにのって筋肉組織へと運ばれ、そこでエネルギーとして使われます。

このように、体内の脂肪がエネルギーとして使われるまでには、運動を始めてからある程度の時間が必要です。運動をしても10分くらいで止めてしまったのでは、体内の脂質は完全燃焼せずに、せっかくの運動療法の効果が上がらないのです。30分ほど運動すると、一般に100~200キロカロリーのエネルギーが消費されるといわれています。

中性脂肪を減らすのに欠かせない運動療法

運動療法は、体の中に溜まった中性脂肪を減らすために、食事療法とともに欠かせない大切なものです。継続的に適度な運動をおこない、体内の中性脂肪を燃やします。

運動不足で肥満と脂質の代謝異常に

中年を過ぎると、日常生活の中で運動不足であることを実感する人が多いでしょう。運動不足は、肥満の原因であり、動脈硬化の危険因子です。運動が不足すると肥満になりやすく、肥満になると体内での脂質の代謝に異常が起こります。この脂質の代謝異常で、さらに肥満になって悪循環に陥ります。そして、そのままの状態が続くと、やがては動脈硬化や高脂血症(脂質異常症)を引き起こしてしまいます。

運動療法と食事療法を併用する

中性脂肪値が高い人は、食事療法と同時に、運動療法もおこなうようにします。食事の管理だけきちんとしておけば大丈夫だろうという考え方では、肥満や高脂血症(脂質異常症)を改善することはできません。普段から積極的に毎日体を動かしましょう。エネルギーを上手に消費して、中性脂肪やコレステロールを必要以上に増やさないことが大切です。

運動する前の注意

普段から運動をする習慣がない人や高血圧、心臓病を患っている人などは、危険な場合もありますので、急に運動を始めるのは良くありません。運動をしていての突然死のケースもありますので、高脂血症(脂質異常症)の人は特に、さなざまな合併症についてなど、必ず医師と相談してから運動をおこない、決して自己流で始めないようにします。

運動療法は長期間継続する

運動の効果は、すぐに現れるわけではありません。運動を始めたら毎日続けておこなって、しかも、ある程度の期間続けることで、少しずつ効果が現れるのです。また、個人個人によって、効果が現れ始める時間も違います。

思うように効果が出ないと途中でやめたくなったりもしますが、食事療法と同じように、気長に続けることが良い結果につながります。無理はせずに長く続けることが、運動療法を成功させるカギです。

長く続けるためのポイントは、一人で気軽にできる運動を選ぶこと、時間や場所の制限がなく何時でも何処でもできること、ストレスにならず楽しくできること、経済的に負担がかからずできること、です。

喫煙者は禁煙する

タバコは動脈硬化の原因に

喫煙はさまざまな成人病の危険因子です。特に、ガンや狭心症、心筋梗塞に対しての危険性は大きいものです。タバコを吸うと、ニコチンの作用で血管が収縮し、すぐに血圧が上がります。この状態が続くと心臓に負担がかかって、狭心症や心筋梗塞の原因になります。

喫煙することで、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が増え、HDL(善玉)コレステロールが減ってしまうこともわかっています。また、タバコを吸うことによってLDL(悪玉)コレステロールの性質が変化すると、血管壁のマクロファージという細胞に取り込まれ、動脈硬化を引き起こす原因にもなります。

喫煙者が肺ガンになる確率

タバコを吸うことでいちばん問題となっているのが、ガンとの関係です。喫煙と肺ガン・喉頭(こうとう)ガンとの因果関係は、さまざまな研究データによって既に明らかになっているようです。

一日に吸うタバコの本数が多いほど、また、タバコを吸い始めた年齢が低いほど、タバコを吸っている年数が長いほど、ガンになる危険率が高くなることがわかっています。そして、ガンだけでなく、心筋梗塞や狭心症の場合も同じ傾向であって、喫煙者の死亡率は、心筋梗塞では2倍以上、狭心症では1.5倍高くなっているのです。

また、夫婦の場合など、自分はタバコを吸わないのに、隣にいつもタバコを吸っているパートナーがいて、長期にわたって副流煙を吸い込んでいると、肺ガンや喉頭ガンにかかる確率が高くなります。こうした受動喫煙によってもガンになってしまうことがあるのです。

夫婦ともタバコを吸わない人と比べて、この受動喫煙で肺ガンで死亡した人は、パートナーの喫煙量が毎日一箱(20本)以上の場合で、死亡率が2.5倍以上も高いことがわかっています。

このように、喫煙者は、自分の喫煙によって大切な家族でさえも病気に巻き込んでしまうということを忘れないでほしいです。

禁煙のきっかけをつくる

喫煙者がタバコをやめようと思っても、実行するのはなかなか難しいものです。タバコをやめるには、自然にやめるきっかけができて、それに向かっていけるのがいちばん良いので、何かきっかけをつくることです。まずは自分で吸わない日を決め、その日は完全に禁煙します。それができたら、次の目標を決めていきましょう。

禁煙を始めると、朝目覚めた時などに喫煙欲求をとても強く感じます。これは、離脱症状のひとつで、ニコチンの軽い中毒症状です。禁煙を始めたばかりの頃には、一日に何度かこういった症状が出ますが、ここでガマンするのが大切です。だいたい2週間ほどで治まりますが、この期間が勝負の分かれ目です。

禁煙を達成するためには、強い意志と努力が必要なのです。
禁煙補助剤を上手に活用して今年こそ禁煙!

アルコールの飲み過ぎに注意

お酒は適量なら百薬の長

アルコールは、ストレスを解消したり、人と人とのつきあいを円滑にしたりするのに役立ちます。さらに、血行を良くしたり、善玉コレステロール(HDL)を増やしたりと、昔から百薬の長といわれ、飲酒量はたしなむ程度であれば特に問題ありません。しかし、飲み過ぎたり、急激に飲んだりすると、体には有害になります。ただ、同じ量のアルコールを摂取したとしても、酔い方は人によって異なりますから、自分の適量を知って上手に飲むことが大切です。

アルコールはVLDLと中性脂肪を増やす

アルコールは体内での吸収が早いこともあり、飲み過ぎると、肝臓での中性脂肪の合成が促進されて、VLDL(超低比重リポたんぱく)やLDLコレステロールが増えてしまいます。血液中にVLDLが増えると、カイロミクロンも分解されにくくなり、血清トリグリセライドの量も多くなって、高脂血症(脂質異常症)や動脈硬化の原因になります。また、アルコールを飲み続けると、余分な中性脂肪が肝臓にたまって脂肪肝にもなります。

お酒の飲み過ぎでエネルギー過多になる

麦や米が原料であるビールや日本酒、焼酎などのアルコール類は、けっこうカロリーが高い飲み物です。これらをたくさん飲むと摂取エネルギーの過剰から肥満になって、栄養障害を起こします。さらには、肝臓障害やアルコール依存症、高脂血症(脂質異常症)へと進展する最悪のケースも考えられます。

お酒のお供、おつまみにも注意

空腹にいきなりアルコールを飲むのは、悪い飲み方です。まず、先に何かを食べて胃の粘膜を保護してからお酒を飲むようにしましょう。そして、注意しなければならないのがおつまみです。王道の唐揚げや焼き鳥、もつ煮込み、脂ののった刺身など高カロリーなものは控えて、例えば、湯豆腐や冷や奴、淡泊な白身の刺身などを選んだほうが良いです。

深酒をしないためのポイント

  • 自分の適量を知って、自分のペースで飲む。
  • お酒を飲むのが習慣になっている人は、週に2日の休肝日をつくる。
  • 付き合いのお酒でも、日付が変わる前に切り上げる。
  • アルコール度数の強いお酒は、薄めて飲む。
  • 空腹時の飲酒は避ける。

お酒の席は大事なお付き合いの場合も多いでしょうが、お酒をつがれる側よりもつぐ側にまわって、自分が飲む量を減らしましょう。

2週間の禁酒が脂肪値を半分に

食べ過ぎを防ぐためのポイント

腹八分目にしておく

栄養的にバランスの良い食事がとれていても、量そのものが多ければ、エネルギーをコントロールできているとは言えません。成人の場合の一日に必要なエネルギー量は、だいたい2,000キロカロリー前後だとされていますが、大切なのは、おなかいっぱいになるまで食べないこと、よく噛んでゆっくり食べることです。

もう少し食べたいな、というところでガマンするのは大変なことですが、それ以上食べない、腹八分目でやめておく習慣を身につけましょう。

よく噛んでゆっくり食べる

食事の仕方で良くないのは「早食い」です。早食いの人は、早く食べなければならない理由が無くても、それが習慣になってしまっています。よく噛んでゆっくりと食べることを意識して、改善していくことが必要です。食べ始めてから血糖値が上がって脳が満腹だと感じるまでには20分くらいかかりますが、早食いの人は脳で満腹感を感じる前にどんどん食べてしまうために、食べる量が増えてしまうのです。

一日三回きちんと食事をとる

忙しい朝は食事をせずに、昼食と夕食だけですませてしまう人もいると思いますが、これだと一回の食事の量が多くなりがちで、肥満につながります。食事の回数を減らすことがダイエットだと思っている人は間違いです。食事の回数を減らすのが習慣になると、私たちの体は、次の食事までエネルギーを体内に蓄えようとします。これは、インスリンを盛んに分泌して、肝臓で中性脂肪をたくさんつくることになります。さらに、空腹の状態だとコレステロールが余分につくられてしまいます。こういったことを防ぐためにも、一日三回、決まった時間にきちんと食事をとることがおすすめです。

遅い時間の夜食は避ける

私たちの体はもともと、昼間は消化能力が高く、夜間は腸の吸収能力が高くなっています。食事をすると、血液中に、カイロミクロン・レムナントというコレステロールと中性脂肪が入った粒子が出てくるのですが、この粒子は、通常、食後の5~6時間までにほぼ吸収されます。ところが、夜遅い時間に食事をとると、粒子が吸収される前に寝てしまうために、血管壁に長時間粒子が残って血管が傷つき、動脈硬化の原因になります。

できるだけ間食はしない

大人も子供も問わず、間食は肥満の大きな原因です。特に、スナック類やせんべい、ケーキには糖質も脂質も多く含まれていて、こういったものを食べ過ぎると、中性脂肪やコレステロールが増える原因となります。どうしても何か食べたいという時には、ヨーグルトやゼリーなどのエネルギーが低いものを食べるとよいでしょう。

中性脂肪を増やさないために必要以上に食べない

エネルギーバランスを考える

中性脂肪を増やさないために、摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスを上手く保つのが大事です。

私たち人間が生きていくには、体にさまざまな栄養素が必要なのですが、その中の熱量素である脂質や糖質(炭水化物)、たんぱく質には、特に注意が必要です。これらの物質は体内でエネルギーとして使われますが、余分なものは中性脂肪として体内に蓄えられるのです。

消費エネルギーよりも摂取エネルギーのほうが多い傾向にあり、エネルギー収支の悪さが問題となります。健康な体の状態を維持するためには、日頃から摂取するエネルギーを意識的に減らし、運動量を増やすことがポイントとなります。また、量は普通に食べていたとしても、現代の食材や食品そのものが昔と比べ高カロリー化していますので、数年前と同じ感覚で食事をしていると、いつの間にかエネルギーが過剰になってしまうのです。

消費エネルギーを増やす

摂取エネルギーを減らそうとして、食事のメニューや食べ方に気をつかうのは良いことですが、消費エネルギーのこともきちんと考えないと、努力がなかなか実を結びません。エネルギーを摂取したら、そのぶん消費していかなければ、たまっていってしまいます。年齢を重ねるに連れて代謝機能が衰えてくることもあり、消費するエネルギーが少なければ、中性脂肪はさらにつきやすくなります。

摂取したエネルギーを消費するのに一番簡単なのは、やはり運動をすることです。中でも気軽に始められるのは、歩くことでしょう。最低でも30分は毎日歩くようにします。15分くらい運動すると汗をかき始めますが、この汗をかく時間以上に運動をしないと意味がありません。

エネルギー過多は病気の原因に

エネルギーの摂りすぎは、高脂血症の原因になるだけでなく、血圧を上昇させ、糖尿病のもとにもなります。さらに、こういった病気は動脈硬化の危険因子で、やがては狭心症や心筋梗塞をおこす可能性が高くなります。

エネルギー量は、「カロリー」という単位で表されます。私たちが健康で過ごすために必要なエネルギーは、それぞれの人の生活活動量によって違ってきます。年齢や性別、身長、体重よって適切なエネルギー量は異なり、職業でも、デスクワークの人と肉体労働の人では異なります。