中性脂肪を減らすための生活ポイント」カテゴリーアーカイブ

中性脂肪を減らすために日常生活の中で気をつけたいこと とは? 中性脂肪が高い人のための、食事 運動 生活習慣の見直し による改善策と基礎知識。

食べ過ぎを防ぐためのポイント

腹八分目にしておく

栄養的にバランスの良い食事がとれていても、量そのものが多ければ、エネルギーをコントロールできているとは言えません。成人の場合の一日に必要なエネルギー量は、だいたい2,000キロカロリー前後だとされていますが、大切なのは、おなかいっぱいになるまで食べないこと、よく噛んでゆっくり食べることです。

もう少し食べたいな、というところでガマンするのは大変なことですが、それ以上食べない、腹八分目でやめておく習慣を身につけましょう。

よく噛んでゆっくり食べる

食事の仕方で良くないのは「早食い」です。早食いの人は、早く食べなければならない理由が無くても、それが習慣になってしまっています。よく噛んでゆっくりと食べることを意識して、改善していくことが必要です。食べ始めてから血糖値が上がって脳が満腹だと感じるまでには20分くらいかかりますが、早食いの人は脳で満腹感を感じる前にどんどん食べてしまうために、食べる量が増えてしまうのです。

一日三回きちんと食事をとる

忙しい朝は食事をせずに、昼食と夕食だけですませてしまう人もいると思いますが、これだと一回の食事の量が多くなりがちで、肥満につながります。食事の回数を減らすことがダイエットだと思っている人は間違いです。食事の回数を減らすのが習慣になると、私たちの体は、次の食事までエネルギーを体内に蓄えようとします。これは、インスリンを盛んに分泌して、肝臓で中性脂肪をたくさんつくることになります。さらに、空腹の状態だとコレステロールが余分につくられてしまいます。こういったことを防ぐためにも、一日三回、決まった時間にきちんと食事をとることがおすすめです。

遅い時間の夜食は避ける

私たちの体はもともと、昼間は消化能力が高く、夜間は腸の吸収能力が高くなっています。食事をすると、血液中に、カイロミクロン・レムナントというコレステロールと中性脂肪が入った粒子が出てくるのですが、この粒子は、通常、食後の5~6時間までにほぼ吸収されます。ところが、夜遅い時間に食事をとると、粒子が吸収される前に寝てしまうために、血管壁に長時間粒子が残って血管が傷つき、動脈硬化の原因になります。

できるだけ間食はしない

大人も子供も問わず、間食は肥満の大きな原因です。特に、スナック類やせんべい、ケーキには糖質も脂質も多く含まれていて、こういったものを食べ過ぎると、中性脂肪やコレステロールが増える原因となります。どうしても何か食べたいという時には、ヨーグルトやゼリーなどのエネルギーが低いものを食べるとよいでしょう。

中性脂肪を増やさないために必要以上に食べない

エネルギーバランスを考える

中性脂肪を増やさないために、摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスを上手く保つのが大事です。

私たち人間が生きていくには、体にさまざまな栄養素が必要なのですが、その中の熱量素である脂質や糖質(炭水化物)、たんぱく質には、特に注意が必要です。これらの物質は体内でエネルギーとして使われますが、余分なものは中性脂肪として体内に蓄えられるのです。

消費エネルギーよりも摂取エネルギーのほうが多い傾向にあり、エネルギー収支の悪さが問題となります。健康な体の状態を維持するためには、日頃から摂取するエネルギーを意識的に減らし、運動量を増やすことがポイントとなります。また、量は普通に食べていたとしても、現代の食材や食品そのものが昔と比べ高カロリー化していますので、数年前と同じ感覚で食事をしていると、いつの間にかエネルギーが過剰になってしまうのです。

消費エネルギーを増やす

摂取エネルギーを減らそうとして、食事のメニューや食べ方に気をつかうのは良いことですが、消費エネルギーのこともきちんと考えないと、努力がなかなか実を結びません。エネルギーを摂取したら、そのぶん消費していかなければ、たまっていってしまいます。年齢を重ねるに連れて代謝機能が衰えてくることもあり、消費するエネルギーが少なければ、中性脂肪はさらにつきやすくなります。

摂取したエネルギーを消費するのに一番簡単なのは、やはり運動をすることです。中でも気軽に始められるのは、歩くことでしょう。最低でも30分は毎日歩くようにします。15分くらい運動すると汗をかき始めますが、この汗をかく時間以上に運動をしないと意味がありません。

エネルギー過多は病気の原因に

エネルギーの摂りすぎは、高脂血症の原因になるだけでなく、血圧を上昇させ、糖尿病のもとにもなります。さらに、こういった病気は動脈硬化の危険因子で、やがては狭心症や心筋梗塞をおこす可能性が高くなります。

エネルギー量は、「カロリー」という単位で表されます。私たちが健康で過ごすために必要なエネルギーは、それぞれの人の生活活動量によって違ってきます。年齢や性別、身長、体重よって適切なエネルギー量は異なり、職業でも、デスクワークの人と肉体労働の人では異なります。

中性脂肪を減らすために守りたいこと

中性脂肪を減らし、高トリグリセライド血症を予防するには、日常生活でのエネルギーの収支を考えることが大切です。食べ過ぎをあらため、適度に体を動かすことがポイントです。次に挙げる項目を守って、中性脂肪を減らしましょう。

中性脂肪を減らすための7つのこと

  1. エネルギーの摂取量を抑える
  2. 糖分の摂りすぎに注意する
  3. 脂肪分の多い食品を摂らない
  4. アルコールを大量に飲まない
  5. 適度な運動を毎日おこなう
  6. ストレスをためない、たまったら発散させる
  7. 禁煙する、できない場合は節煙する

エネルギー摂取量を抑える

高脂血症(脂質異常症)にならないためには、食べ過ぎないようにして、脂肪の量と質を考えた食事をします。そして、一日を通しての食事全体のエネルギー量のコントロールを心がけます。このように、まずは体内で合成されるコレステロールや中性脂肪の量を減らすことが大切になります。また、食物繊維をたくさん摂取することや、βカロテン、ビタミンEをしっかり摂取することも大切です。

ついつい食べてしまう間食や夜遅くにとる夜食を控え、体に入るエネルギー量を抑えることが、何よりも大事です。

糖分の摂りすぎに注意する

甘いものが大好き、という人はたくさんいるでしょう。甘い食品には糖分(糖質)が多く含まれています。摂取した糖質はエネルギーとなるのですが、余分な糖質は中性脂肪として蓄積されていきます。そして、これらの蓄積された中性脂肪が高脂血症(脂質異常症)となるのです。

ただ、糖分(糖質)というのは、砂糖などの甘いものだけに含まれているのではなく、お米やパン、パスタといった炭水化物、果物にも含まれているし、いも類に含まれるでんぷんも糖質のもととなるので、注意しましょう。

脂肪分の多い食品を摂らない

カロリーの高い、脂っこい食事をいつもとっていると、コレステロールと中性脂肪の摂りすぎとなり、これが肥満に直結します。そして、動脈硬化や高脂血症(脂質異常症)につながるのです。

バターやマヨネーズ、生クリーム、肉の脂身などはどれもエネルギー量の高い食品で、コレステロールや飽和脂肪酸が多く含まれています。こういった食品をたくさん使っている食事を摂らないこと、または減らすことが、カロリーを減らすことになります。

アルコールを大量に飲まない

アルコールは、飲む量によって薬にも毒にもなります。昔から『酒は百薬の長』といわれるように、少量であれば、ストレス解消や疲労回復、善玉コレステロールの増加など、心身に良い効果をもたらしてくれます。しかし、飲み過ぎると血液中の中性脂肪を増やします。

適度な運動を毎日おこなう

適度に体を動かすことは、余分なカロリーを消費するための良い方法です。運動をすると血行が良くなり、代謝も活発になります。それに、心肺機能が鍛えられて、胃腸の機能が高まります。さらに、ストレス解消など精神面への良い効果もあります。

運動するときに大切で効果が期待できるのは、継続することです。ただし、肥満や動脈硬化がある人は、医師に相談してから始めるのがよいでしょう。

ストレスをためない、たまったら発散させる

ストレスがかかると血清コレステロールの値は変動します。ストレスで緊張や興奮をすると、血中コレステロールが増えるだけでなく、心臓が送り出す血液量が増し、血液中の中性脂肪量も増えてしまいます。ですから、ストレスが多い人や強いストレスがかかった場合には、心筋梗塞や狭心症になる危険性が高くなるのです。

ストレスのない生活をおくるのは難しいですが、大切なのはためないことです。歌を歌う、スポーツをする、買い物をするなど、気持ちをスッキリさせる方法は人それぞれですが、ストレスがたまってしまったら発散させましょう。

禁煙する、できない場合は節煙する

タバコを吸うと気分転換になる、気分が落ち着く、などの理由でついつい吸ってしまう、やめたくてもやめられない、という人もいるでしょう。しかし、タバコは体の健康にとって、ひとつも良いことはありません。それどころか、動脈硬化や心臓病などの危険因子です。禁煙できないという人は、せめて節煙を心がけましょう。