プリン体の多い食品だけ減らしても意味はない

最近は、プリン体の摂取制限により合併症の予防と治療に重点

現在、日本の痛風患者は約60万人、尿酸値が高めの痛風予備軍にいたっては500~600万人にも達すると推定されています。痛風という病気が他人事ではなくなつた昨今では、「プリン体」という言葉もすっかり耳になじみ、プリン体をカットしたビールが売り出されるなど、プリン体への関心は高まる一方です。

プリン体は体の中で尿酸に変化する物質です。このことから、「尿酸値を上げる食べもの=プリン体の多い食品」と考えられ、尿酸値が高い人の食事では、高プリン体の食品を極力排除することが第一とされていました。

ところが、尿酸代謝の研究が進んだ最近では、ふだんの食生活でプリン体の制限に重点が置かれるようなことは少なくなり、摂取エネルギーを抑えて適正体重を維持する、塩分を控える、栄養バランスをとるといったように、むしろ合併症の予防と治療に主眼を置いた食事療法が基本にてなっています。尿酸値が高い状態を放置しておくと、糖尿病、高血圧、高脂血症などを併発するリスクが高まるからです。

食品のプリン体が及ぼす尿酸値への影響はごくわずか

では、なぜプリン体の制限が食事療法の主流からはずれてきたのかというと、理由としては次のようなことがあげられます。

  1. 食事に由来するプリン体の量より、体内の代謝によって産生・増加するプリン体の量のほうがはるかに多いことが明らかになった
  2. 食事でとるプリン体の一部は腸管内で細菌分解されて消えてしまい、その摂取が全部そのまま尿酸値の上昇に結びつかないことが明らかになった
  3. 尿酸のコントロールに有効な薬が数多く開発された

つまり、食品に含まれるプリン体で左右される体内の尿酸はごくわずかで、食事でのプリン体摂取を徹底的に制限しても尿酸値は10~20% ほどの低下しか期待できず、薬の力を借りたほうが大きな効果が得られるというわけです。

高プリンタ食を敬遠しすぎると栄養バランスを崩す場合も

もちろん、激しい痛風発作を起こしているようなときは、今でも食事でのプリン体摂取を控えるように指示されます。しかし、プリン体を多く含む食品には、良質たんばく質、各種ビタミン、ミネラルなどの供給源となるものがたくさんあります。

尿酸値の高い人にとって高プリン体食品は好ましいとはいいかねますが、必要以上に恐れ、遠ざけていると、「尿酸値」のために体に必要な栄養素まで排除してしまうことにもなりかねません。また、かつおぶしや煮干しなどに多いことからもわかるように、プリうン体は食品の「旨味のもと」にもなっています。そのため、プリン体を制限しすぎると、文字どおり食事が味けないものになってしまいます。これではせっかくの食事療法も長続きしません。

高尿酸血症とプリン体との関係をしっかり理解し、プリン体の多い食品に気をつけながら、全般的な食生活の改善に努めることが何より大切なことといえるでしょう。

食事の質をあげるためには1日に卵1個

コレステロールの問題などがクローズアップされるようになって以来、卵を敬遠する風潮が見受けられますが、卵は体に必要な栄養素をバランスよく兼ね備えた食品です。

物価の優等生といわれるように、価格も安定していますし、利用範囲が広いのも卵の魅力のひとつです。医師から特に制限されているのでない限り、1日1個は卵を食べるようにしたいもの。こうすることによって、食事全体の質がぐんとアップします。

1日に1 、2個程度ならコレステロールのとりすぎにつながることはないと考えられていますが、それでも気になるなら卵白だけを利用し、スープ、炒めもの、蒸しものなどにして食べるとよいでしょう。
1日1個のポーチドエッグ